宅配便、郵便の荷物お預かり迷惑メールに注意を!
こんちには。
日本郵政を語る迷惑メールが来たので確認してくれという依頼がありました。ウィルス付き添付ファイルを伴った迷惑メールでしたが、ウィルスはサーバー上で駆除されて受信者に配信されました。
日本郵政を語る迷惑メールは12月ごろから出回っているようです。http://www.japanpost.jp/information/2015/20151218114836.html
この迷惑メールはロシアを経由して来ているようでしたが、メールサーバー自体はきちんとしたもののようなので、そのサーバーの利用者の一人がコンピューターウィルスに感染して踏み台になっているようです。
実在する企業やサービスの名前を使って送られて来る迷惑メールがあります。特に今回の郵政や宅配事業者の名を使って、荷物の不在お預かりのような文面で書かれているので、本物と間違えそうになります。
迷惑メールというと、誰がこんなのに引っかかるのか、というような内容が多くでしたが、最近のそれは手が込んでいます。また、ロシアを経由して日本語のそれなりの文面のメールが送られてくるというのも驚きです。
今回の場合も、迷惑メールが送信されているメールサーバーも最低限の迷惑メール防止の対応がなされていますが、正規の利用者の情報を使って送信されているので、一律に判別することができないので厄介です。もっとも、ウィルス添付などは送信する時点でチェックできると思いますので、ぜひそういうしくみにしてもらいたいものです。
また、ウィルスを駆除したことを受信者に知らせるべきかどうかも難しいところです。今回報告のあった企業のメールシステムは必ず駆除通知があるのですが、受信者が不安に思って大丈夫かと聞いてきます。今時は知らせなくてもいいのではないかと個人的には思います。
以前は、送信者に返信するということもありましたが、返信先を攻撃する目的の迷惑メールもあるので、最近はそれもやらないと思います。
メールアドレスが実在するかどうかを確認する目的で、デタラメなアドレスにたくさんのメールを送り付ける手口もあります。エラーが返ることでそのアドレスは「無い」という情報を提供することになりますから、宛先不明でもエラーを通知しないというポリシーもあります。
また、それらの処理でサーバーの負荷が増えてしまい、メールが目詰まりを起こすなどということもよくありました。最近は通信回線とサーバーの容量が大きくなったので、よほどのことがない限りそういうこともないかもしれませんが。
いずれにしても、迷惑メールはその名のとおり、大変迷惑な存在ですが、その対策は皆でやらないとどうしても抜け道ができてしまいます。地道な対策が必要です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
契約更新のプロセス
今回は「契約更新のプロセス」についてです。
1月はどこかのんびりとした空気がただよっていましたが、月末から2月にかかると俄然年度末モードになりますね。
3月決算の企業は受注獲得もラストスパートです。また、顧客が3月決算の場合は年度内に予算消化と検収が必要です。必然的に他の時期よりも真剣になります。
当社は10月決算ですが、顧客の中には3月決算という企業も多いので、やはり1年を通じて一番重要な時期となります。特に年間契約の場合は、この時期の活動によって今後1年間の業績が見通せますから、非常に重要な時期です。
今日は、年間でコンサル契約をいただいているお客様と、当社との契約更新を含め、次年度のIT構想の打ち合わせでした。会議の最初のセッションで継続更新の了承をいただけたので一安心でした。次年度の契約もないのに次年度の構想もありません。当たり前のように思っていても実は当たり前ではないこともあります。とにかく感謝するしかありません。
と言っても、実際には、契約更新直後から既に次の契約更新のために構想を練り、それを1年間かけて次の更新に結びつけるもので、契約更新の時期だけ頑張ってもどうにかなると言うわけでもありません。試験が苦手な自分が言うのも何ですが、試験勉強と同じですね。
たまに一夜漬けがうまく行くことがあったり、また、契約更新の時期になると対応が丁寧になるということは確かにありますが(汗。いくら準備をしていても、やはり契約更新のお返事をいただくまでは心配でなりません。
今回、契約更新に際して用意した資料は以下です。
1)1年間の稼動状況(分単位での作業項目のリスト)
2)次年度IT関連予算案
別紙1 現状の課題 別紙2 対策案と費用
当社はITコンサル、ITサポート事業ですが、価格の考え方は複数の軸から考える必要があります。私が考える軸は以下の3つです。
A)稼動時間(工数)に対して妥当か。
B)顧客の業績に対して妥当か。
C)顧客の将来価値に対して妥当か(ノウハウの価値に対して妥当か)。
新規契約や経営・金融系のコンサルタントの場合はCが重要だと思いますが、役務サービスの更新などはAやBが重要になり、場合によりCの要素を加味します。いわゆる難易度が高い仕事などです。
この考え方は企業対企業はもちろんですが、会社と社員の関係でも重要です。この考え方がないと残業だけが評価基準になったり、不当に安い賃金で就労させるというようなことになってしまうと思います。
今回の契約更新ではAとBが重要です。Aについては、4月から12月の9ヶ月間でその顧客に関係した稼動時間が9420分でした。月平均17.4時間です。全部が記録できているわけではないので、これをベースに1.5を掛けると月25時間です。契約では20時間相当をコミットしていますので、現状の契約で概ね妥当と判断できます。
次にBについてです。その顧客は関連会社の設立や拠点の追加があり、当然そのITの立ち上げも実施しました。一般的に考えてその場合顧客の業績はよいと考えられます。よって、関連会社や他拠点のITサポートはオプションとして提示しました。やらないという選択はないと思うのですが、もし顧客の業績が厳しいようならオプションは無しということも考えられます。
結果としては現状+オプションで増額の契約となりました。このように書けば当たり前じゃないか、となりそうですが、こういう戦略やストーリーを1年間かけて契約更新に結びつけるのは、今日明日ではできないものです。
個人的にポイントだと思うのは、稼動実績で9420分という数字(分で出すのがミソ)と、その内訳となる100行くらいので作業リストです。これは毎日の稼動を記録する必要があるので、やることは単純でも実践すると結構大変です。また、これを見ると顧客からも信頼してもらえますので、Aの部分の交渉は簡単に終わらせることができます。
本当は一つ一つの作業を予実で管理したいのですが(ツールはそのようになっている)実績を入力するの手一杯です。できないことを無理するよりもできることを着実にやることも重要だと思うようにしています。
時間管理については、顧客に提示するしないは別として、自分が一体何にどのくらい時間を使っているのかを客観的に管理するのは企業活動をする上で重要なことだと思います。管理職だからとか、経営者だからそんな細かな時間管理は要らないということはないと思います。また、時間管理はどこの企業もやっていることだとは思いますが、行動を時間として記録すると言うレベルはあまり無いのではないでしょうか。
さて、来期の契約の見通しがついたところで、次は、既にその次の契約更新に頭が切り替わります。先ほど述べたA,B,Cの3つの軸のうち、工数や顧客業績に大きく左右されないCの部分を大きくしていきたいと思っています。つまり買いたいと思わせる商品やサービスです。これは役務提供からノウハウや価値提供へとスタイルを変える必要があります。昨日の大竹氏のメルマガで言えば、オリジナルコンテンツの部分だと思います。CのためにAとBを確実に実践し、Cのための時間をいかに捻出するか。
毎年、付加価値の高い商品やサービスを提供したいと思っていろいろ考えるのですが、実現するのは簡単なことではありません。しかし、思い続けることも大事です。
では。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。