海外出張にはモバイルWiFiレンタルを(韓国編)
10月10日~12日の3連休に韓国に行ってきました。
今回はお客様の社員研修に招待されての渡航でした。韓国でのホテルの会議室を借りて全社会議があるのですが、私はそこで10分ほどIT利用上の注意など簡単な発表の時間がありました。一応、仕事として行くという意味でも、簡単でもプレゼンの機会を与えていただけたのは、負担感の軽減という意味でもすばらしいご配慮だと思いました。当社のような大きな組織を持たない者にとっては大変に勉強になりました。
さて、6月にはストックホルムに行きましてモバイルの通信状況なども調査してまいりました。
http://blog.cnet-media.co.jp/melmaga/20150714
今回も韓国でモバイル通信のテストをしてきました。
前回はレンタル海外用モバイルWiFiを2台、ドコモのアンドロイドスマホを1台、それとホテルWiFiとの比較でした。
今回は、レンタルWiFiを1台、ドコモのアンドロイドスマホを1台、ソフトバンクのiPhoneを1台、KDDI(au)の法人向けUSB通信アダプタ(4G)を1台、それらとホテルWiFiをテストしました。
ですが、ここでショックなことが。なんと、ソフトバンクiPhoneの記録が見当たりません(涙)。残念ながらソフトバンクiPhoneは除外した結果となってしまいました。
モバイル通信の結果は以下です。
http://www.cnet-media.co.jp/images/mobile-kaigai-20151027.pdf
結論を述べると、前回の結論と同様、海外に行くときにはレンタルWiFiの利用が便利でお得ということがはっきりしました。
今回は日本主要3キャリアの端末もテストしたのですが、日本で使っている端末をそのまま海外に持ち込んでも、ローミングによりネット利用はできるものの、速度が遅い割に値段が高いので、けっして使い勝手がいいとは言えません(料金は1日の上限がありますので、とんでもない料金が課金されることはありませんが)。
特にドコモ、KDDIは、データを見る限り、海外での利用でもゲートウェイ(インターネットへの出口)は日本になるようなので、海外にいるのに現地のサイトより日本のサイトの方がアクセスがよいという現象が見られます。アクセスがよいと言っても物理的な距離がありますので、当然それなりに時間がかかります。まして、現地のサイトを閲覧しようものなら、更に日本からの折り返しの時間がかかるので、スループットとしては非常に効率が悪い状態と言えます。
記録間違いがなければ、データを見る限り、ソフトバンクは素直に現地がゲートウェイになっているようです。
もっとも、日本のサービスで海外からのアクセスを拒否しているようなサービスを海外で利用するには、日本がゲートウェイになっている方が適しているかもしれません。ドコモやKDDIのローミングは法人利用を意識する意味があるのかもしれません。
海外に行ってスマホ利用で一番重宝するのは地図やナビゲーションではないでしょうか?今回の韓国でも、海外モバイルWiFiとスマホで地図はずっと利用しっ放しでした。
地図は恐らく現地から一番近いサイトでの閲覧になると思われますので、ドコモやKDDI(au)のローミングを使って日本経由でアクセスするよりは、現地から最短距離でアクセスした方が効率がよいに決まっています。このような場合に、料金も気にせず快適な速度でネットが使える海外モバイルWiFiはとても便利です。予備のバッテリーを1台同時にレンタルしたら、まる1日は十分利用可能です。
海外渡航ではモバイルWiFiに予備バッテリーを用意して持っていきましょう。これらをレンタルすると、海外用の電源アダプターもついてきますので、自分でそれを用意する手間も省けてなお便利です。最後に、ホテル以外ではネットは使わない、という人はあえて用意する必要もないと思います。
韓国でのモバイル通信については以上です。
以下は、韓国の印象です。
韓国のソウルはソウル特別市というらしいですが、人口が1千万人もいるということです。韓国の全人口が5千万人くらいらしいので、単純に考えれば5分の1の人々がソウル市内にいることになります。1千万人と言ったら東京と同じですから、かなりの大都市です。
今回はすべての移動が地下鉄でしたが、不慣れという以外は特に不自由なく利用できましたので、日本並みに便利な街だという印象でした。電車の中はスマホ利用者が多く、老若男女問わず利用している人が多いです。やはり目に付くのは韓国製のアンドロイドスマホです。iPhoneを持っている人を見かけることはなかったと記憶しています。結構社内で通話している人もいました。日本では1つだけ空いている座席に座るのは気がひける人も多いと思いますが、韓国の人々は遠慮はしません(笑)。どんどん割り入っていきます。では不作法かというと決してそうではなく、私も荷物をたくさんもっていた時に席をゆずられました。お年寄りへの気配りもあるように見受けられました。個人の主張と周りへの気遣いのバランスがよいなと感じました。
地下鉄にはすべて番号が振られているのですが、残念なことに、この番号は現地の方々にはほとんど意識されていないようです。日本でも同様ですが、外国人は社内アナウンスを聞いてもよくわらからないので駅番号がすべてですが、これが社内の路線図やアナウンスにないので困ることが多かったです。日本に来る外国時もきっとこういうところで迷うのだろうなと、よい経験をしました。
他にもいろいろ感じることはありましたが、長くなりますのでこの辺で。
日本と韓国は政治的にややギクシャク感があり、なかなかビジネスになり難い環境となってしまいましたが、どこに行っても良く言われるように、実際に現地に来て現地の方々と触れ合うとそういうことは感じません。経済実利優先ですね。皆さん親切で楽しい一時を過ごしました。
ネット越しにメールやSNSだけの交流や一方的に流されるメディアの情報に惑わされて不安に陥るよりも、Face to Faceの交流がいかに重要か、あらためて認識した旅行でした。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
値上げを知らせない戦略
今日はクラウドと料金に関するテーマです。
当社ではメールとワードやエクセルなどのOfficeのライセンスはOffice365を利用しています。昨日、ライセンスを1つ追加しようと思って料金を確認したところ、なんと値上がりしているではないですか!
別に不満を述べているわけではなく、マイクロソフトはOfficeをクラウド化した成果がここに見て取れるなと妙に感心してしまいました。
当社の場合は支払いは月払いなので遡って見ると、6月の契約更新からのようです。多数契約している会社から見れば「今さら何を言っているの!」とお叱りを受けそうです。そういえば、そんなニュースがあったなと、すっかり他人事でしたが、2015年契約の新規・更新分からの適用のようです。
http://blogs.technet.com/b/bpj/archive/2014/10/21/office-365-for-business-price-adjustment-from-january-2015.aspx
値上げ率はプランにより12.5%、20.8%、32.8%ですが、当社の契約しているプランでは20.8%でした。
私が気付かなかった理由は以下の3つです。
①数が少ない(金額が小さい)
②クレジットカードによる自動継続
③価格改定に関する個別メールでのアナウンスが一切なかった
これらはいずれもクラウド化によるサービスの小分け販売と無対面販売による成果だと思います。
当社のサービスを対比させてみると違いがよくわかります。
①専門サービスなので契約数が少ない
②専門サービスなので金額が大きく実質自動継続にならない
③価格を変える時には丁寧な説明が必要
まったく逆です。
特に③には驚かされました。日本人的に言ったら、価格の改定を個別ユーザーに通知しないということはちょっと考えられません。恐らく契約時の規約には書かれているのでしょう。そして、価格改定を通知したならばユーザーからの不満電話やメールばかりで、その対応だけでも大変なコストです。一応、サポート窓口もありますが、月に数千円の利用者の不満を聞くのも疲れますから、わざわざ知らせないのも理解できます。
当然ですが、クレジットカードの有効期限切れは45日前から15日置きに親切に案内がきます。何をして何をしないか、よくわかります。
マイクロソフトの値上げの理由は以下です。
「お客様に提供される価値と価格のバランスを考慮しながら、定期的に価格を見直します。」
これは良い考えだと思います。「価値」という言葉が大変よいですね。
そして、価格改定ができた最大の要因は、Office365は成功したということだと思います。一度使い出したらなかなか切り替えはできませんから、利用者が増えて、価格を改定しても影響があまりないというところまで来たのだと推測できます。
成功によって広がりを見せるOffice365が次に必要としているのはデータです。これからも関連して様々なサービスが生まれることでしょう。
サービスがサービスを生む流れとトレンドを改めて考えるよいきっかけとなったOffice365価格改定の出来事でした。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。