金融機関あれこれ
こんにちは。
今日は珍しく金融機関の話です。
前回のメルマガで、新規事業開始のご案内をしました。事業拡大に伴って、金融機関から資金調達をしました。当社ができる資金調達の規模などは世の中の水準から言ったら本当に小さいものですが、新規の金融機関の審査は制度融資といえど時間がかかります。スッキリしない日々が続きます。
さて、新規事業では富山市にひとつ店舗があるので、店舗入金用に新しい銀行口座が必要になり、口座開設の手続きをしました。これがなかなかちょうどいいサービスがなくて想像以上に時間を要しました。
一番使い勝手がいいのはゆうちょ銀行です。なんといってもネットバンクが無料というのがいいです。全国どこにでもATMがあります。ゆうちょ間の送金は5回まで無料です。1法人で複数口座持てるので管理もしやすいです。
ところが、追加口座でさえ口座を開くのに2週間くらいかかります。センター処理だからでしょう。先月末に手続きしてまだできていないです。
また、地方の店舗の近くの郵便局はATMコーナーも17時で閉まってしまうので、当日の入金には向かないということがわかりました。ゆうちょ銀行はあきらめました。
信用金庫の口座があるので、「しんきんゼロネットサービス」を使って通帳入金ができるのではないかと考えました。ところが、店舗近くの信金は「しんきんゼロネットサービス」に加盟していないということでした。すべての信金が加盟しているわけではないようです。
それでは店舗近くの信金に口座を作ってとりあえず入金だけでもできるようにしようと考えましたが、地方の信金は東京の会社の法人口座を簡単には作らせないようです。詐欺やマネーロンダリングに使われることもありますから、それはそうでしょう。ということで、信金もあきらめました。
結局どうしたかというと、店舗の近くの地銀の東京の支店に口座を作りました。事情を話すとすぐ対応していただけました。即日で口座ができて、数日後にはネットバンクとキャッシュカードも用意できました。見直したぞ地銀!やっぱりこうでなくては!。そして数日後の土曜日、「社長、土日は硬貨の入金ができません!」なかなかうまくいかないものです。
今日はあまりITに関係ない話でした。(関係なくもないですね、FinTechはどうした!?)
では。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
データ復旧事業
現在、ITサポートサービスの新メニューとしてデータ復旧サービスの準備中です。価格、競合対策、展開方法など、まだいろいろと整理しなければならないこともあるので、完全にオープンにはできないのですが、まもなくニュースリリースをする予定でいます。また、海外での展開も視野に入れています。
データ復旧とは、故障した記憶媒体からデータを救い出すことを指します。記憶媒体とは、ハードディスク、SSD、USBメモリ、SDカード、はたまた水没した携帯なども含まれます。
このメルマガでもバックアップの重要性は何度かお話ししていますが、ついつい面倒くさがっているいうちにPCが故障します。また、まぁ大丈夫だろう、という根拠のない期待もありますね(人のこと言えません)。
今やデータはお金や不動産、場合によってはそれ以上に重要な資産です。たった指の爪程度のチョップに恐ろしく重要な資産が格納されていますから、なんとも恐ろしい時代になったものです。
このデータ復旧はどうやってやるのかご存じでしょうか?大ざっぱにいうと、壊れたPCやメモリから記憶媒体を取り出し、復旧専用のPCにそれを装着してデータを読み出します。
ハードディスクを例に取ると、一番簡単なケースでは、ハードディスクをPCから取り出して他のPCに装着するだけでデータを読み出すことはできます。これらはちょっとPCに詳しい方であれば難なくできてしまうと思います。
次に簡単なケースでは、復旧ソフトを使って、通常Windowsなどが読み出せない領域のデータをハートディスクから読み出します。復旧ソフトが、普通にPCが扱えるデータに組み立てて復旧します。よって、復旧ソフトの優劣で結果に差が出る場合があります。
ここまでを論理復旧と言います。論理復旧はPCを組み立てる知識と復旧ソフトがあれば対応できます。
論理復旧ができない場合は、物理的に何か壊れている可能性がありますので、ハードディスクを分解して修理となります。作業中にディスクや埃などが付かないようにベンチレーターの中でハードディスクを分解、修理です。ここからは専門家の分野になります。
私はもちろん!、自分でここまでやったことはありません。
以上はハードディスクの例ですが、SSDやUSBメモリなど、電子素子に記録するタイプのメディアの場合はどうやるかご存じでしょうか?
論理復旧まではだいたい同じなのですが、物理復旧というと。。。それは企業秘密です!
と言いたいところですが、実はよく分かっていません。かなり特殊でニッチな分野ですが、大変興味深い世界です。今度このメルマガで、3月から当社の社員として加わったデータ復旧のプロにも書いてもらいましょう。
新しいことをやるにはそれなりに時間と資金を必要としますので大変です。世の中の水準からすると当社が取り組む事業などはとても小さなものですが、その立ち上げのプロセスはよい経験となります。いろいろな方のご支援を頂いて、なんとか滑走路の端までたどり着いたという感じです。これから離陸して飛び立たねばなりません。現在進行中ですが、状況が落ち着いたらメルマガでも書きたいと思います。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
宅配便、郵便の荷物お預かり迷惑メールに注意を!
こんちには。
日本郵政を語る迷惑メールが来たので確認してくれという依頼がありました。ウィルス付き添付ファイルを伴った迷惑メールでしたが、ウィルスはサーバー上で駆除されて受信者に配信されました。
日本郵政を語る迷惑メールは12月ごろから出回っているようです。http://www.japanpost.jp/information/2015/20151218114836.html
この迷惑メールはロシアを経由して来ているようでしたが、メールサーバー自体はきちんとしたもののようなので、そのサーバーの利用者の一人がコンピューターウィルスに感染して踏み台になっているようです。
実在する企業やサービスの名前を使って送られて来る迷惑メールがあります。特に今回の郵政や宅配事業者の名を使って、荷物の不在お預かりのような文面で書かれているので、本物と間違えそうになります。
迷惑メールというと、誰がこんなのに引っかかるのか、というような内容が多くでしたが、最近のそれは手が込んでいます。また、ロシアを経由して日本語のそれなりの文面のメールが送られてくるというのも驚きです。
今回の場合も、迷惑メールが送信されているメールサーバーも最低限の迷惑メール防止の対応がなされていますが、正規の利用者の情報を使って送信されているので、一律に判別することができないので厄介です。もっとも、ウィルス添付などは送信する時点でチェックできると思いますので、ぜひそういうしくみにしてもらいたいものです。
また、ウィルスを駆除したことを受信者に知らせるべきかどうかも難しいところです。今回報告のあった企業のメールシステムは必ず駆除通知があるのですが、受信者が不安に思って大丈夫かと聞いてきます。今時は知らせなくてもいいのではないかと個人的には思います。
以前は、送信者に返信するということもありましたが、返信先を攻撃する目的の迷惑メールもあるので、最近はそれもやらないと思います。
メールアドレスが実在するかどうかを確認する目的で、デタラメなアドレスにたくさんのメールを送り付ける手口もあります。エラーが返ることでそのアドレスは「無い」という情報を提供することになりますから、宛先不明でもエラーを通知しないというポリシーもあります。
また、それらの処理でサーバーの負荷が増えてしまい、メールが目詰まりを起こすなどということもよくありました。最近は通信回線とサーバーの容量が大きくなったので、よほどのことがない限りそういうこともないかもしれませんが。
いずれにしても、迷惑メールはその名のとおり、大変迷惑な存在ですが、その対策は皆でやらないとどうしても抜け道ができてしまいます。地道な対策が必要です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
契約更新のプロセス
今回は「契約更新のプロセス」についてです。
1月はどこかのんびりとした空気がただよっていましたが、月末から2月にかかると俄然年度末モードになりますね。
3月決算の企業は受注獲得もラストスパートです。また、顧客が3月決算の場合は年度内に予算消化と検収が必要です。必然的に他の時期よりも真剣になります。
当社は10月決算ですが、顧客の中には3月決算という企業も多いので、やはり1年を通じて一番重要な時期となります。特に年間契約の場合は、この時期の活動によって今後1年間の業績が見通せますから、非常に重要な時期です。
今日は、年間でコンサル契約をいただいているお客様と、当社との契約更新を含め、次年度のIT構想の打ち合わせでした。会議の最初のセッションで継続更新の了承をいただけたので一安心でした。次年度の契約もないのに次年度の構想もありません。当たり前のように思っていても実は当たり前ではないこともあります。とにかく感謝するしかありません。
と言っても、実際には、契約更新直後から既に次の契約更新のために構想を練り、それを1年間かけて次の更新に結びつけるもので、契約更新の時期だけ頑張ってもどうにかなると言うわけでもありません。試験が苦手な自分が言うのも何ですが、試験勉強と同じですね。
たまに一夜漬けがうまく行くことがあったり、また、契約更新の時期になると対応が丁寧になるということは確かにありますが(汗。いくら準備をしていても、やはり契約更新のお返事をいただくまでは心配でなりません。
今回、契約更新に際して用意した資料は以下です。
1)1年間の稼動状況(分単位での作業項目のリスト)
2)次年度IT関連予算案
別紙1 現状の課題 別紙2 対策案と費用
当社はITコンサル、ITサポート事業ですが、価格の考え方は複数の軸から考える必要があります。私が考える軸は以下の3つです。
A)稼動時間(工数)に対して妥当か。
B)顧客の業績に対して妥当か。
C)顧客の将来価値に対して妥当か(ノウハウの価値に対して妥当か)。
新規契約や経営・金融系のコンサルタントの場合はCが重要だと思いますが、役務サービスの更新などはAやBが重要になり、場合によりCの要素を加味します。いわゆる難易度が高い仕事などです。
この考え方は企業対企業はもちろんですが、会社と社員の関係でも重要です。この考え方がないと残業だけが評価基準になったり、不当に安い賃金で就労させるというようなことになってしまうと思います。
今回の契約更新ではAとBが重要です。Aについては、4月から12月の9ヶ月間でその顧客に関係した稼動時間が9420分でした。月平均17.4時間です。全部が記録できているわけではないので、これをベースに1.5を掛けると月25時間です。契約では20時間相当をコミットしていますので、現状の契約で概ね妥当と判断できます。
次にBについてです。その顧客は関連会社の設立や拠点の追加があり、当然そのITの立ち上げも実施しました。一般的に考えてその場合顧客の業績はよいと考えられます。よって、関連会社や他拠点のITサポートはオプションとして提示しました。やらないという選択はないと思うのですが、もし顧客の業績が厳しいようならオプションは無しということも考えられます。
結果としては現状+オプションで増額の契約となりました。このように書けば当たり前じゃないか、となりそうですが、こういう戦略やストーリーを1年間かけて契約更新に結びつけるのは、今日明日ではできないものです。
個人的にポイントだと思うのは、稼動実績で9420分という数字(分で出すのがミソ)と、その内訳となる100行くらいので作業リストです。これは毎日の稼動を記録する必要があるので、やることは単純でも実践すると結構大変です。また、これを見ると顧客からも信頼してもらえますので、Aの部分の交渉は簡単に終わらせることができます。
本当は一つ一つの作業を予実で管理したいのですが(ツールはそのようになっている)実績を入力するの手一杯です。できないことを無理するよりもできることを着実にやることも重要だと思うようにしています。
時間管理については、顧客に提示するしないは別として、自分が一体何にどのくらい時間を使っているのかを客観的に管理するのは企業活動をする上で重要なことだと思います。管理職だからとか、経営者だからそんな細かな時間管理は要らないということはないと思います。また、時間管理はどこの企業もやっていることだとは思いますが、行動を時間として記録すると言うレベルはあまり無いのではないでしょうか。
さて、来期の契約の見通しがついたところで、次は、既にその次の契約更新に頭が切り替わります。先ほど述べたA,B,Cの3つの軸のうち、工数や顧客業績に大きく左右されないCの部分を大きくしていきたいと思っています。つまり買いたいと思わせる商品やサービスです。これは役務提供からノウハウや価値提供へとスタイルを変える必要があります。昨日の大竹氏のメルマガで言えば、オリジナルコンテンツの部分だと思います。CのためにAとBを確実に実践し、Cのための時間をいかに捻出するか。
毎年、付加価値の高い商品やサービスを提供したいと思っていろいろ考えるのですが、実現するのは簡単なことではありません。しかし、思い続けることも大事です。
では。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
海外との契約と送金
4年前から海外製のITサポートツールを利用しています。2013年当時の記事ですが、以下に当社事例があります。
「Kaseyaを活用してITサポートとデジタルサイネージの管理を効率化」 http://news.mynavi.jp/series/Kaseya/015/index.html
この製品の日本法人が昨年の3月に無くなり、契約や支払いは、アジア、パシフィック管轄ということで、オーストラリアで管理されるようになりました。3月末までは国内の銀行に支払いをしていましたが、4月からはUSドルで送金となっています。突然製品が使用できなくなると困るので、契約がきちんと引き継がれているかどうか心配でしたが、無事現在も利用できています。
契約が10月から1年単位の契約なので、10月に契約の更新がありましたが、更新に伴う支払い関係が複雑で(事情が複雑なだけですが)、ようやく折り合いが付きました。
何が複雑かというと、、、
昨年3月までは日本円で、4月からUSドル支払いですが、なぜか4月時点で支払いが282ドル足りないと言っています。理由を尋ねると為替の調整の結果だと主張しています。日本法人とどういう引継ぎをしたのでしょうか。
また、当社の支払いは利用月と支払い月が3ヶ月ずれています。これを調整したい、つまり、利用月と支払い月を一緒にしたいという相談もありました。当社にしてみれば、一時的に支払いが多くなるということです。しかし、請求は3ヶ月分ではないので、ディスカウントしているのかもしれません。
これらの交渉を英文メールでやるのですが、どうも微妙なニュアンスがよく分からないし伝わりません。そして、InvoiceやStatementなどのドキュメントをやたら送ってくるので混乱します。
そして、契約更新の際にはこれらの内容を踏まえた見積もりを営業から送ってくるわけです。理由がよくわからないので、ポツポツとやりとりをして、3ヶ月かけてはっきりしたのが上記の内容でした。これらの説明をしてくれたのは営業ではなく経理部門ですが。
為替の調整などは、日本法人を閉じたのはこっちには関係ないんだから、と言いたくもなりますが、新しい契約は25%ディスカウントになっていて、契約更新の際の金額調整もディスカウントしてくれているようなので、一定の誠意も感じられました。まぁいいかと、これで良しとしました。
契約も5年目ですが、5年間継続利用している顧客は信頼があるのだと思います。しかも、基本的には売り切りの製品なのですが、ずっとクラウドの契約で利用していますから、ベンダーにしてみればいいお客さんではないでしょうか(変わり者と思われているかも)。
契約を続けているのは、理由があります。製品自体が使い物にならなければ意味がありませんから、製品自体がいいということが第一です(本当に重宝しています)が、いつかは、形態はともかく、この製品の日本での取り扱い元となりたいと思っています。よってお互いの信頼も必要です。ですから、日本法人が無くなったというのはよいこともでもあるわけです。
そのためには英語ももっとできなくてはいけませんが、中学生レベルの英語では全然不足です。製品の正確も一般向けではありませんので販売も難しいかもしれません。
日本ではうまくいかなかったということは事実なので(社長が2回代わりました)、ユーザーも少ないと思います。今度、日本でのユーザーがどのくらいいるのか聞いてみようと思います。アクティブなユーザーは当社だけかもしれませんね。
人が聞いたら馬鹿馬鹿しいことでも、やりたいことがあると言うことはいいことですね。いや、人が見向きもしないことの方がいいですね。ビジネスには「変わり者」になることも大事です。
では。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
自分的にはAI元年
長い休みはITのビジネス利用者は少ないのでトラブルも少なく、仮にあったとしても「休みでよかった」という状況なので、完全に休むというのは難しくてもリラックスできるよい機会です。
それでも、一方的に対応しなければならないことは起きるものです。外資企業のM&Aに伴うメールの統合の諸々、退職社員の対応、クラウドサーバーの容量警告、と、システムは年中無休です。
年末年始の何万人という初詣客を輸送する交通機関や、安心して家庭で一時を過ごせる電力サービスなどを支える人や企業に、料金を支払うという以上の感謝をすることも大事かなと思います。
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さて、昨年にiPhone6sを購入したのですが、年末に初めて「Siri」の存在をテレビで知りました(テレビというところが突っ込まれそうです、それも家人から教えてもらいました、汗)。
今さらかも知れませんが、私の周りにもiPhoneユーザーたくさんいますが、今までリアルに見聞きしたことはないです。初めて見る人はほとんどが「面白い!」と言います。
「Siri」はiPhoneでの音声入力機能とサービスのことですが、Androidでこれに相当するのは「OK Google」です。ドコモスマホのコンシェルジュなども同様のサービスです。
「Siri」の特徴は、音声で小芝居をする点です。音声入力で結果をウェブや地図で表示するという点は共通していますが、「Siri」以外のサービスは音声入力はできても、音声で何かを返すということはありません(あるかもしれませんが見つけられなかったです)。
この「Siri」の音声での応対がとても面白いのです。ちょっとウィットなところもあって、なかなかのセンスです。はじめてiPhoneでよいと思った機能です。
「Hey Siri」と話しかけると「何か御用でしょうか?」とちょっと怪しげなイントネーションで答えるのは本当に面白いです。また、質問に対して少しピント外れな受け答えや、意地悪な質問にウィットをもって返すなど、少し前のSF映画のようでもあります。
ウェブで「Siri」や「OK Google」で検索すると違いや、どちらが正確かという比較の記事がたくさん見つかります。しかし、この音声で応対するというのは、検索結果が正確かどうかということは超越した面白いサービスです。特に用はないが話しかけたりしたくなります。
今は簡単な受け答えしかできませんが、もっと本格的にやればそれなりに会話が成立するでしょう。一人暮らしが増えている今、特に高齢者にはよい話相手になると思います。データベースはクラウド化できますから、十分可能性があります。
また、「Siri」がいいと思うのは、無機質な端末という点です。ソフトバンクが販売している「Pepper」というロボットがあります。また、人間に本物そっくりに似せたサイボーグのようなロボットもありますが、個人的にはあまり人には似せない方がよいのではないかと思います。もちろん、それが適している場面もあると思いますので一概には言えませんが。
また、AI英会話というのもあります。https://chat-robot.weblio.jp/
英会話のサービスを受けると費用がかかるので、そんなの機械でできないだろうかと思って検索したらありました。これでも初歩の練習では十分です。逆に、これをクリアしたらリアルな英会話とした方がお互いのためだと思います。
ちなみに、英会話と言うのは半分は会話力なので、いくら英語ができても英会話が上手にできるわけではありません。このサイトの前でやってみようと思っても、さて、何を話したらいいのか、となります。母国語での会話力を身に着けることも大変重要です。
ついでですが、留守番電話サービスで以下のようなサービスもあります。
「留守電メッセージが文字で届く、国内初の留守番電話サービス」https://www.transrec.net/
当社とドメインが同じなので悔しいですが、これはいいサービスですね。当社もIP電話関係のサービスやシステム構築を少しやっていますので、このサービスのテキスト化なしのサービスを自作しました。事業化できるかなと思って類似サービスを探したらありました。同じことを考える人はいるものですね。これが100件までは月額300円ですから、作るより使った方が安いです。
また、300円という価格は競合として作ろうという気をなくさせる値段です。300円以上だと使う人も多くはないでしょう。世の中300円が多いのも理解できます。
さて、このようなAIサービスを眺めてみると、確実に人がやる仕事は減っていきます。自動化が本当にいいのかどうか、考えさせられますが、産業革命以降のこの流れは変えることはできないでしょう。起業ビジネスとしては、しばらくはアプリとコンテンツとそれを支えるITが主流だと思われます(もちろん衣食住関連は王道です)。行きつく先はどんなところなのでしょうか。
本年もよろしくお願い致します。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
年末なのでIT機器の処分を!
12月も中旬ですが、12月といえば大掃除です。使わなくなったり故障したIT機器は思い切って処分しましょう。
IT機器の処分と言えば、インスクエアにも入居されているリングロー社のIT機器買取りサービスがお奨めです。
メルマガでも私をはじめ何人かがご紹介したかもしれませんが、不要なIT機器を捨てるのではなく買い取ってもらえます。今はゴミを捨てるのにもお金がかかる時代です。無料で引き取ってもらえるだけでも助かりますが、買い取ってもらえるとは嬉しい限りです。
一昨年利用した際には買取価格が1万円ほどでしたので驚きました。何も想定がない中で1万円の収入は嬉しいものです。
当社のお客様でも廃棄するIT機器が溜まっていたお客様がいましたのでリングロー社に買取りをお願いしました。デスクトップとノートPCやらなにやらで30点ほどかなと思っていましたが、周辺機器や携帯電話を含めると約80点近くになりました。今回の結果はまだわかりませんが、忘年会の足しにはなるかもしれません。
ただ単純にゴッソリ持っていくのではなく、一つ一つ確認してリスト化してくれます。ハードディスクは消去の上消去証明も発行してもらえますので、企業側としても管理ができて大変助かります。
同様の事業者はたくさんあると思いますが、リアルな利用者が身近にいて、しかもリピーターというのは安心できる情報ではないでしょうか。
どうぞ、皆さまもこの年末の機会を逃さずに、ご利用されてはいかがでしょうか。
さて、話は変わりますが、昨日は大手プロバイダーの数時間にわたるトラブルがありました。インスクエアの皆さまにも影響が出ました。また、先週のWindows Updateでは以下の不具合があったようです。
Outlook2010がセーフモードでしか起動しない
http://answers.microsoft.com/ja-jp/office/forum/office_2010-outlook/outlook2010%E3%81%8C%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%83%95/0bbec09b-4e17-4795-8a44-032da728d005?auth=1
どのトラブルでもサポート契約しているお客様からは、窓口担当者からを通じて問い合わせが私のところに来ますので一気に忙しくなります。また、WindowsUpdateのトラブルは、管理者権限がないと取り消しもできませんので、何かと手間がかかります。
その間にシンガポールからメールが送信できないとヘルプがかかり、トラブルの内容は本当に様々です。各企業の窓口担当者の方も大変だなとつくづく思う毎日です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
海外出張でのトラブルシューティング
昨日は海外出張に行っておられるお客様3名のサポートでした。PCで空港やホテルのWiFiに接続できないということですが、現象としては以下の通りです。
・PCで空港やホテルのWiFiに接続できない・スマホでは接続できる・3名全員が同じ症状(PCの機種は違います)・日本では会社、自宅で問題なく使えていた
この症状からするとPCに共通的な原因があると思いますが、さてそれが何か分かりません。ネットに接続できればリモート接続してトラブルシューティングもできますが、そもそもネットに接続できないので対処のしようがありません。
有線接続はサービスがないということです。スマホのデザリングはできるということですが、PCをデザリングでネット接続している最中ではローカル(ホテル側)のネットワークにはアクセスできませんので意味がありません。
ホテルのフロントに聞いたらどうかと言いましたが、よい返事がきません。慣れない言語でITのトラブルシューティングを依頼するのは気がひけるのでしょう。トラブルを相談するのはまだしも、有線接続できないか、と聞くのも大変かもしれません。
WiFiの規格か何かが違うのかなとも思いましたが、スマホでは利用できるというのでそれはないと判断しました。次に怪しいのはウェブフィルタリングのソフトです、
WiFiの利用方法というと、アクセスポイント名をダブルクリックして案内されているパスワードを入力する、というのがよくある方法だと思います。このホテルのWiFiは、一度ホテルのウェブサイトにアクセスして、部屋番号と氏名を入力すると一定期間WiFiが利用できるというしくみです。
ここからは、今度は日本語の会話の問題です。症状を聞いたところ、「部屋番号や氏名が入力できない」ということでした。私が最初に抱いたイメージは、ホテルのページは表示されるが、部屋番号や氏名を入力してエンターしても何も応答がないのかなと思いました。JavaScriptが無効になったりするとサイトが何も反応しないということはありますので、そういう類の問題かなと思いました。ブラウザを変えて試しても同じだということです。
ウェブフィルタリングが怪しいとは思いつつ、そのホテルのウェブサイトは外部からもアクセスできます(外部と内部ではURLが違います、ここがミソですが)。同じウェブフィルタリングを使っているPCでアクセスしてみるとページが表示できます。念のためこういうページが表示されますよね、と画面コピーをメールで送ると、そのページが表示されないと言います。それでウェブフィルタリングが原因だなと確信できました。コミュニケーションは難しいですね。
これをお読みになっている方の中には、原因が違っても怪しいなら削除すればいいのに、と思われる方もいらっしゃると思います。なぜすぐそれをしないかというと、ウェブフィルタリングのソフトはアンインストールの際にアンインストールパスワードと削除有効期間の確認が必要なのです。つまり、アンインストールする際にもネットに接続されている必要があります。また、アンインストールパスワードは20桁くらいあって複雑です。セキュリティ関連ですから、簡単に解除できないようになっています。その面倒な確認と作業を利用者にしてもらうのは大変だなと思い、まぁ最後の手段として残しておいたわけです。
結局、デザリングでPCをネットに接続してもらい、ウェブフィルタリングソフトをアンインストールしたところ解決しました。
今回に限らず、海外出張中の社員のサポートをするということはよくあります。そして、今回のように、割ときちんとセキュリティ対策をされている企業の方がトラブルは多いです。パスワードの有効期限が来てしまった、ウェブなどのサービスが使えない、PCが不調になったなど、様々です。
しかし、海外出張中のITのトラブル対応は本当に助かるのだと思います。ITは命綱と言っても過言ではありません。私自身、その気持ちがよくわかりますので、対応する場合は時差の関係で夜中ということもありますが、できる限りのサポートをします。ブラジルやヨーロッパにいる出張者のPCにリモート接続して作業ということがよくあります(費用負担してくれればすぐにでも飛んで行きたい気分ですね!)。
そのようなサポートが必要な方はぜひ当社にご相談ください!
以前に何度か海外出張のITについて書きましたが、海外用モバイルWiFiルーターを1台レンタルしてメインとして使い、ホテルや空港のWiFiの方が予備的に使うと考えた方がよいと思います。モバイルWiFiはホテル内外など場所に関係なく利用できますから便利です。1台で複数台のPCやスマホで使えます。昨今の海外出張では必須アイテムでしょう。
今回もデザリングがあったのでなんとかなりましたが、海外ローミングは料金と使い勝手の効率があまりよくないので、海外用モバイルWiFiルーターがお奨めです。
さて、いよいよ12月に突入ですが、暖かいのか寒いのかよくわらない陽気で服装も難しく体調も崩しやすいですから、健康に注意して年末年始に備えましょう。
昨日は海外出張に行っておられるお客様3名のサポートでした。PCで空港やホテルのWiFiに接続できないということですが、現象としては以下の通りです。
・PCで空港やホテルのWiFiに接続できない・スマホでは接続できる・3名全員が同じ症状(PCの機種は違います)・日本では会社、自宅で問題なく使えていた
この症状からするとPCに共通的な原因があると思いますが、さてそれが何か分かりません。ネットに接続できればリモート接続してトラブルシューティングもできますが、そもそもネットに接続できないので対処のしようがありません。
有線接続はサービスがないということです。スマホのデザリングはできるということですが、PCをデザリングでネット接続している最中ではローカル(ホテル側)のネットワークにはアクセスできませんので意味がありません。
ホテルのフロントに聞いたらどうかと言いましたが、よい返事がきません。慣れない言語でITのトラブルシューティングを依頼するのは気がひけるのでしょう。トラブルを相談するのはまだしも、有線接続できないか、と聞くのも大変かもしれません。
WiFiの規格か何かが違うのかなとも思いましたが、スマホでは利用できるというのでそれはないと判断しました。次に怪しいのはウェブフィルタリングのソフトです、
WiFiの利用方法というと、アクセスポイント名をダブルクリックして案内されているパスワードを入力する、というのがよくある方法だと思います。このホテルのWiFiは、一度ホテルのウェブサイトにアクセスして、部屋番号と氏名を入力すると一定期間WiFiが利用できるというしくみです。
ここからは、今度は日本語の会話の問題です。症状を聞いたところ、「部屋番号や氏名が入力できない」ということでした。私が最初に抱いたイメージは、ホテルのページは表示されるが、部屋番号や氏名を入力してエンターしても何も応答がないのかなと思いました。JavaScriptが無効になったりするとサイトが何も反応しないということはありますので、そういう類の問題かなと思いました。ブラウザを変えて試しても同じだということです。
ウェブフィルタリングが怪しいとは思いつつ、そのホテルのウェブサイトは外部からもアクセスできます(外部と内部ではURLが違います、ここがミソですが)。同じウェブフィルタリングを使っているPCでアクセスしてみるとページが表示できます。念のためこういうページが表示されますよね、と画面コピーをメールで送ると、そのページが表示されないと言います。それでウェブフィルタリングが原因だなと確信できました。コミュニケーションは難しいですね。
これをお読みになっている方の中には、原因が違っても怪しいなら削除すればいいのに、と思われる方もいらっしゃると思います。なぜすぐそれをしないかというと、ウェブフィルタリングのソフトはアンインストールの際にアンインストールパスワードと削除有効期間の確認が必要なのです。つまり、アンインストールする際にもネットに接続されている必要があります。また、アンインストールパスワードは20桁くらいあって複雑です。セキュリティ関連ですから、簡単に解除できないようになっています。その面倒な確認と作業を利用者にしてもらうのは大変だなと思い、まぁ最後の手段として残しておいたわけです。
結局、デザリングでPCをネットに接続してもらい、ウェブフィルタリングソフトをアンインストールしたところ解決しました。
今回に限らず、海外出張中の社員のサポートをするということはよくあります。そして、今回のように、割ときちんとセキュリティ対策をされている企業の方がトラブルは多いです。パスワードの有効期限が来てしまった、ウェブなどのサービスが使えない、PCが不調になったなど、様々です。
しかし、海外出張中のITのトラブル対応は本当に助かるのだと思います。ITは命綱と言っても過言ではありません。私自身、その気持ちがよくわかりますので、対応する場合は時差の関係で夜中ということもありますが、できる限りのサポートをします。ブラジルやヨーロッパにいる出張者のPCにリモート接続して作業ということがよくあります(費用負担してくれればすぐにでも飛んで行きたい気分ですね!)。
そのようなサポートが必要な方はぜひ当社にご相談ください!
以前に何度か海外出張のITについて書きましたが、海外用モバイルWiFiルーターを1台レンタルしてメインとして使い、ホテルや空港のWiFiの方が予備的に使うと考えた方がよいと思います。モバイルWiFiはホテル内外など場所に関係なく利用できますから便利です。1台で複数台のPCやスマホで使えます。昨今の海外出張では必須アイテムでしょう。
今回もデザリングがあったのでなんとかなりましたが、海外ローミングは料金と使い勝手の効率があまりよくないので、海外用モバイルWiFiルーターがお奨めです。
さて、いよいよ12月に突入ですが、暖かいのか寒いのかよくわらない陽気で服装も難しく体調も崩しやすいですから、健康に注意して年末年始に備えましょう。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
外資企業のITサポート
少し前になりますが、当社顧客の外資企業が別の外資企業と合併となりました。つまり外資企業同士の合併です。どちらの企業もUSが本社です。
外資企業はM&Aや部門売却などがよくあります。このお客様も3年前には、やはり外資企業の一事業を吸収し、今回は会社全体のM&Aで吸収される側です。そして、今まさにIT統合の真っ最中です。ITの統合は優先度が高く分かりやすいプロジェクトです。
当社としても外資企業のM&AのIT統合は2回目となります。3年前は言語や慣習と言った点で不慣れなことも多く、不安が多い中での対応となりましたが、今回は前回よりも多少余裕を持った対応ができそうです。
日本ではM&Aというと「救済」とか「会社がなくなる」と言ったネガティブなイメージがある印象を受けますが、外資企業のM&Aはもっとビジネスライクで、従業員の中には何度も社名が変わっている人もいます。
今回アジアを統括する拠点はシンガポールです。シンガポールはヨーロッパ大陸とアメリカ大陸の中間という地理的要素や言語(英語)、治安と言った要素が強いと思います。中国は事業規模が大きいので、どの企業も事業所は大きいと思いますが、アジアを統括するという拠点にはなりにくいようです。ただし、US本社から見たウェイトは中国の方が大きく、日本は中国の次というのが現状のようです。よって、IT関係の指示も「中国に聞いてね」ということがたまにあります(ちなみにその逆はありません)。
IT関連の仕様やポリシーなども一方がもう一方に合わせるという形になりますが、外資企業はトップダウンの傾向が強く、また日本のように根回しや周到な準備がありません(やっているのかもしれませんが)ので、印象としてはいきなり指示がくる、というイメージです。
また、時間はUS時間なので、アジアの就業時刻についてはしつこく言わないと平気で日中にサーバーメンテナンスなどということがよくあります。
また、英語での微妙な言い回しがあって、それを読みきらないと「えっ、そういうことなの!」ということが多々あります。もっとも、これは担当者の癖などもあり、わかりやすい指示をくれる人もいます。個人の資質によるところが大きいのはどこでも同じです。
昨日も16日からセキュリティポリシーが変わるというので注意をしていましたが、なんとUS時間の16日未明(日本では16日の夕方)に変更があって、今朝は大慌てでした。昨夜のうちに気が付いてなんとやらです。
このような気質というか文化がわかれば、後は技術の問題ですから、それほど気にすることはありません。外資企業のITを何社か見てきましたが、傾向は大きくは変わらないので、このようなものが目に見えないノウハウということかなと思います。
ノウハウにもいろいろな切り口があります。技術であったり、製品であったり、業界や職域であったり、地域であったりと。それぞれの切り口で見ると意外な企業や人が活躍しています。なるほどこういう切り口で特色を出し、差別化してストックビジネスとしているのだなと思うことがあります。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
海外出張にはモバイルWiFiレンタルを(韓国編)
10月10日~12日の3連休に韓国に行ってきました。
今回はお客様の社員研修に招待されての渡航でした。韓国でのホテルの会議室を借りて全社会議があるのですが、私はそこで10分ほどIT利用上の注意など簡単な発表の時間がありました。一応、仕事として行くという意味でも、簡単でもプレゼンの機会を与えていただけたのは、負担感の軽減という意味でもすばらしいご配慮だと思いました。当社のような大きな組織を持たない者にとっては大変に勉強になりました。
さて、6月にはストックホルムに行きましてモバイルの通信状況なども調査してまいりました。
http://blog.cnet-media.co.jp/melmaga/20150714
今回も韓国でモバイル通信のテストをしてきました。
前回はレンタル海外用モバイルWiFiを2台、ドコモのアンドロイドスマホを1台、それとホテルWiFiとの比較でした。
今回は、レンタルWiFiを1台、ドコモのアンドロイドスマホを1台、ソフトバンクのiPhoneを1台、KDDI(au)の法人向けUSB通信アダプタ(4G)を1台、それらとホテルWiFiをテストしました。
ですが、ここでショックなことが。なんと、ソフトバンクiPhoneの記録が見当たりません(涙)。残念ながらソフトバンクiPhoneは除外した結果となってしまいました。
モバイル通信の結果は以下です。
http://www.cnet-media.co.jp/images/mobile-kaigai-20151027.pdf
結論を述べると、前回の結論と同様、海外に行くときにはレンタルWiFiの利用が便利でお得ということがはっきりしました。
今回は日本主要3キャリアの端末もテストしたのですが、日本で使っている端末をそのまま海外に持ち込んでも、ローミングによりネット利用はできるものの、速度が遅い割に値段が高いので、けっして使い勝手がいいとは言えません(料金は1日の上限がありますので、とんでもない料金が課金されることはありませんが)。
特にドコモ、KDDIは、データを見る限り、海外での利用でもゲートウェイ(インターネットへの出口)は日本になるようなので、海外にいるのに現地のサイトより日本のサイトの方がアクセスがよいという現象が見られます。アクセスがよいと言っても物理的な距離がありますので、当然それなりに時間がかかります。まして、現地のサイトを閲覧しようものなら、更に日本からの折り返しの時間がかかるので、スループットとしては非常に効率が悪い状態と言えます。
記録間違いがなければ、データを見る限り、ソフトバンクは素直に現地がゲートウェイになっているようです。
もっとも、日本のサービスで海外からのアクセスを拒否しているようなサービスを海外で利用するには、日本がゲートウェイになっている方が適しているかもしれません。ドコモやKDDIのローミングは法人利用を意識する意味があるのかもしれません。
海外に行ってスマホ利用で一番重宝するのは地図やナビゲーションではないでしょうか?今回の韓国でも、海外モバイルWiFiとスマホで地図はずっと利用しっ放しでした。
地図は恐らく現地から一番近いサイトでの閲覧になると思われますので、ドコモやKDDI(au)のローミングを使って日本経由でアクセスするよりは、現地から最短距離でアクセスした方が効率がよいに決まっています。このような場合に、料金も気にせず快適な速度でネットが使える海外モバイルWiFiはとても便利です。予備のバッテリーを1台同時にレンタルしたら、まる1日は十分利用可能です。
海外渡航ではモバイルWiFiに予備バッテリーを用意して持っていきましょう。これらをレンタルすると、海外用の電源アダプターもついてきますので、自分でそれを用意する手間も省けてなお便利です。最後に、ホテル以外ではネットは使わない、という人はあえて用意する必要もないと思います。
韓国でのモバイル通信については以上です。
以下は、韓国の印象です。
韓国のソウルはソウル特別市というらしいですが、人口が1千万人もいるということです。韓国の全人口が5千万人くらいらしいので、単純に考えれば5分の1の人々がソウル市内にいることになります。1千万人と言ったら東京と同じですから、かなりの大都市です。
今回はすべての移動が地下鉄でしたが、不慣れという以外は特に不自由なく利用できましたので、日本並みに便利な街だという印象でした。電車の中はスマホ利用者が多く、老若男女問わず利用している人が多いです。やはり目に付くのは韓国製のアンドロイドスマホです。iPhoneを持っている人を見かけることはなかったと記憶しています。結構社内で通話している人もいました。日本では1つだけ空いている座席に座るのは気がひける人も多いと思いますが、韓国の人々は遠慮はしません(笑)。どんどん割り入っていきます。では不作法かというと決してそうではなく、私も荷物をたくさんもっていた時に席をゆずられました。お年寄りへの気配りもあるように見受けられました。個人の主張と周りへの気遣いのバランスがよいなと感じました。
地下鉄にはすべて番号が振られているのですが、残念なことに、この番号は現地の方々にはほとんど意識されていないようです。日本でも同様ですが、外国人は社内アナウンスを聞いてもよくわらからないので駅番号がすべてですが、これが社内の路線図やアナウンスにないので困ることが多かったです。日本に来る外国時もきっとこういうところで迷うのだろうなと、よい経験をしました。
他にもいろいろ感じることはありましたが、長くなりますのでこの辺で。
日本と韓国は政治的にややギクシャク感があり、なかなかビジネスになり難い環境となってしまいましたが、どこに行っても良く言われるように、実際に現地に来て現地の方々と触れ合うとそういうことは感じません。経済実利優先ですね。皆さん親切で楽しい一時を過ごしました。
ネット越しにメールやSNSだけの交流や一方的に流されるメディアの情報に惑わされて不安に陥るよりも、Face to Faceの交流がいかに重要か、あらためて認識した旅行でした。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
値上げを知らせない戦略
今日はクラウドと料金に関するテーマです。
当社ではメールとワードやエクセルなどのOfficeのライセンスはOffice365を利用しています。昨日、ライセンスを1つ追加しようと思って料金を確認したところ、なんと値上がりしているではないですか!
別に不満を述べているわけではなく、マイクロソフトはOfficeをクラウド化した成果がここに見て取れるなと妙に感心してしまいました。
当社の場合は支払いは月払いなので遡って見ると、6月の契約更新からのようです。多数契約している会社から見れば「今さら何を言っているの!」とお叱りを受けそうです。そういえば、そんなニュースがあったなと、すっかり他人事でしたが、2015年契約の新規・更新分からの適用のようです。
http://blogs.technet.com/b/bpj/archive/2014/10/21/office-365-for-business-price-adjustment-from-january-2015.aspx
値上げ率はプランにより12.5%、20.8%、32.8%ですが、当社の契約しているプランでは20.8%でした。
私が気付かなかった理由は以下の3つです。
①数が少ない(金額が小さい)
②クレジットカードによる自動継続
③価格改定に関する個別メールでのアナウンスが一切なかった
これらはいずれもクラウド化によるサービスの小分け販売と無対面販売による成果だと思います。
当社のサービスを対比させてみると違いがよくわかります。
①専門サービスなので契約数が少ない
②専門サービスなので金額が大きく実質自動継続にならない
③価格を変える時には丁寧な説明が必要
まったく逆です。
特に③には驚かされました。日本人的に言ったら、価格の改定を個別ユーザーに通知しないということはちょっと考えられません。恐らく契約時の規約には書かれているのでしょう。そして、価格改定を通知したならばユーザーからの不満電話やメールばかりで、その対応だけでも大変なコストです。一応、サポート窓口もありますが、月に数千円の利用者の不満を聞くのも疲れますから、わざわざ知らせないのも理解できます。
当然ですが、クレジットカードの有効期限切れは45日前から15日置きに親切に案内がきます。何をして何をしないか、よくわかります。
マイクロソフトの値上げの理由は以下です。
「お客様に提供される価値と価格のバランスを考慮しながら、定期的に価格を見直します。」
これは良い考えだと思います。「価値」という言葉が大変よいですね。
そして、価格改定ができた最大の要因は、Office365は成功したということだと思います。一度使い出したらなかなか切り替えはできませんから、利用者が増えて、価格を改定しても影響があまりないというところまで来たのだと推測できます。
成功によって広がりを見せるOffice365が次に必要としているのはデータです。これからも関連して様々なサービスが生まれることでしょう。
サービスがサービスを生む流れとトレンドを改めて考えるよいきっかけとなったOffice365価格改定の出来事でした。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
迷惑メール対策していますか?
今日は迷惑メール対策がテーマです。
迷惑メールもすっかり定着して当然のようになりました(これでは困るのですが)。最近は迷惑メールを判定するシステムも精度があがり、手元に届くものはごく一部となりましたが、実は、実際には山のような迷惑メールが送信されています。うまくフィルタリングされているので気が付かないだけです。
以下は、今月から当社で運営しているメールサーバーで9月18日に外部から受信したメールの処理件数です。
メール利用者数(アドレス数) 約35人
①受信 1050
②SPFエラー 391
③送信元ドメインエラー 44
④受信 615
②と③が明らかに迷惑メールとされるメールの件数です。全体の41%です。
更に、この後の処理で④の中で内容が迷惑メールと判定されるケースもありますので、それらを合わせると半分以上が迷惑メールです。
迷惑メールは1件でも目にしたらすごく不快な気分になると思います。もし自分のメール一覧の半分が迷惑メールであったなら、メールを使うのは苦痛かもしれません。
上記のエラーの種類で②SPFエラーという項目があります。
これは、迷惑メールを判定するためのSPF方式(呼び名は正しくないかもしれません)で迷惑メールと判定されたという意味です。
SPF方式というのは、迷惑メールを判定するために送信者のドメインのDNSにSPFレコードを設定するものです。SPFレコードには、そのドメインの送信メールサーバーのサーバー名(かIPアドレス)を定義します。SPFレコードに定義されたサーバー以外から送信されたメールは迷惑メールと判断することができます。
SPFレコードの例
①”v=spf1 include:spf.protection.outlook.com ~all”
②”v=spf1 include:_spf.google.com ~all”
①はOffice365を利用している例、②はGoogleAppsを利用している例です。
それぞれ、送信メールサーバーを定義しています。
サーバーが1台の場合はIPアドレスを書くだけでもOKです。
プロバイダーのメールサーバーを利用している場合は、プロバイダーからSPFの書き方の案内があると思います。
先のエラー件数で、SPFエラーが全体の37%もありますから、SPF判定を入れるのと入れないとでは大きな違いです。今よりも37%多い迷惑メールがユーザーに配信されることになります。
私の感覚では、このSPFの方式は5,6年前から普及し始めたと思います。特殊なソフトウェアやライセンスも不要でDNSにレコードを追加するだけで運用できますから、大変よいしくみだと思います。
しかし、課題もあります。
これは、各企業が自社のDNSにSPFレコードを定義してもらわないと判定ができません。意外なのですが、上場会社や大企業でもこの対策をしていない企業が結構あります。SPFレコードがない場合はそのドメインに対しては判定をスキップしますが、送信者の偽装を見破ることができません。
最悪なのが、間違ったSPFレコードを記述してしまうことです。そうするとメールが受信拒否されてしまうことがあります。
また、受信メールサーバーがその機能に対応している必要があります。今回、当社で急遽メールサーバーを運用し始めたのも、お客様から迷惑メールが多いという相談を受けたことによります。
フィルターを入れているのにおかしいと思い調べてみると、なんと利用している大手プロバイダーのメールサーバーがSPF方式に対応しておらず、高価なメールフィルタリングサービスを利用しているにも関わらず、それをすり抜ける迷惑メールがあるということがわかりました。
よって、急遽、一番最初に受信するメールサーバ(MXサーバー)を稼動させた結果が冒頭の処理件数です。
冒頭の処理件数でいう②と③だけでもかなり迷惑メールが防げます。これに更にメール内容のフィルターソフトを使えばほぼ万全だと思います。
迷惑メールを防ぐしくみとサーバー性能と及び通信速度の向上と相まって、15年前にくらべてメールサーバーの運用もかなり楽になりました。
当時のメールサーバーの運用はメールが詰まって本当に大変でした(しみじみ)。
さて、皆さんの会社の迷惑メール対策は大丈夫でしょうか?
SPF対策など迷惑メールを送信できないしくみがとても重要です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
クラウド・エヌ
最近は、NTTコミュニケーションズの「クラウド・エヌ」というサービスをよく利用しています。3月ごろに、知り合いから紹介を受けて、たまたまその時に対応していた案件にフィットしたため、それ以来顧客に紹介したり、自社でもちょくちょく利用しています。
先週はセミナーにも参加し、なるほど、これは確かに楽チンだな、と更に思うようになりました。
「クラウド・エヌ」というのは、誤解を恐れずに分かりやすく言えばレンタルサーバーのクラウドサービスで、NTTCom社が運営するサービスの固有名詞です(と言ってもよくわからない!?)。実際にはレンタルサーバーだけにとどまらず、一般的にはIaaS(Infrastructure as a Service)と呼ばれるサービスで、インフラ全体をクラウドとして提供するサービスです。
皆さん、パソコンのCPUでデュアルコア、とか、4コア、というのは聞いたことがあると思います。例えば100コアくらいの巨大なPCがあったとして、それを複数人が、あたかも自分が占有しているような使い方で利用できるレンタルサーバーのサービスがイメージしやすいでしょうか。
わかりやすくするためにレンタルサーバーと言いましたが、単純にサーバーの時間貸しではなく、仮想データセンターサービスと言った方がよいかもしれません。
リアルな世界では、普通の企業がデータセンターを利用する場合は、データセンター事業者の建物フロアに横幅19インチのサーバーラックを1つとか複数配置して、そのラック内に自社で利用するインターネット回線を引き込み、ネットワーク機器やサーバーを設置します。ラックの中に何を設置しても基本自由です。自社のサテライトオフィスのようなものです。
よって、データセンターを利用するときは、回線手続きが必要で、機材の運搬も必要です。当然それらの設定も必要になります。これは大変骨の折れることです(私が嫌なのはケーブルの始末です)。また、最低限利用するには契約金を含めると人件費を除いても初期費用50万、月額でも7、8万は必要です。
これに対し、「クラウド・エヌ」を利用すると、非常に簡単に、リアルなデータセンター利用と同じことが机に座っていたままで出来てしまいます。
使い方は本当に簡単です。クラウド・エヌの申込みをしてIDを取得したら、そのIDが19インチラックの鍵だと思えばいいです。あとは、その中に仮想サーバーを設置できます。VPNのために仮想ルーターを設置できます。バックアップのための仮想ディスクも設置できます。あの煩わしい運搬やケーブリングをしなくても済みます。これは驚異的なことです。
更に嬉しいのはコストです。利用にかかるためのコストは人件費を除けば0円です。初期費用が50万円かかるのに対し、0円です。また、月額の利用料金も仮想のリソースを稼働させている時間だけ課金されるので、不要な時はサーバーを停止させておけば料金が発生しません。
ただし、本格的にフルタイムで利用したり、仮想サーバーの数が増えると、費用は通常のレンタルサーバーと変わらないか、リアルなデータセンターの集積度を上げればその方が安いかもしれません。
同種のサービスではAmazon EC2がパイオニアです。その他、国内ではGMOクラウドや、最近ではNiftyクラウドも登場しました。クラウド・エヌ以外のサービスは詳しくは知らないのですが、このクラウド・エヌのすごいところは、サーバー周辺のネットワーク、DNSやディスクなどのサービスが充実していることです。事業運営に必要なITリソースはすべてあるという感じです。
更に興味深いのは、どのサービスも仮想マシンを操作するGUIは同じように思えます。勉強不足で知らないのですが、仮想マシンを運用する共通のプラットフォームがあるということかもしれません。それは何なのか。もしかしたらそれはAmazonのソフトウェアなのかもしれない。とすると、それさえも売り物にしてしまうAmazonという企業は空恐ろしい感じがします。
話は戻りますが、「クラウド・エヌ」では自分でOSイメージをアップロードすることができますので、Windows XPやWindows7も利用することができます。ベンダーに依らないので、ベンダーロックだ、と言っています。
15年くらい前にWindowsのリモートデスクトップが登場した当時、すべてのPCを仮想化して、ということが話題となりました。使う側はシンクライアントです。当時のサーバー技術はブレードサーバーなどでハードウェアの集積化でした。今もそれは同じかもしれませんが、ハードウェアは完全に表に出なくなりました。
ここで今日のタイトルです。「デスクトップPCが無くなる」日が本当に来るかもしれません。ほとんどのデスクトップPCはクラウドということも現実的になったと思います。
さて、この便利な「クラウド・エヌ」の使い方も重要です。これらのサービスを使う目的は何でしょうか?思いつくもので以下の3つです。
①障害に強いシステムの構築
②自由度が高くスピーディーな環境の構築
③上記の低コストでの実現
①は事業が大きくなればなるほど最重要ですが、小規模企業や個人事業レベルでは②、③が重要です。本当に個人レベルでも大企業レベルのインフラが利用できるようになりました。
ここで重要なのは、何か事業をしていないと全く活用する機会がないということです。例えば派遣に出ているエンジニアが、就業時間外に自己負担でこのようなサービスを利用して学習したり仕事の問題解決にあたったりという活用ができます。(もちろんデータの持ち出しはダメです!)これは個人レベルであっても既に事業の一部と言えると思います。その延長が起業です。
所属会社や大きな組織に依らずに今まで出来なかったことができるようになります。逆に言うと、できなかった理由がなくなっていくということなので、言い訳ができなくなってくるということです。やる者とやらない者の差は今まで以上に大きくなるのかなという気がします。
当社もデータセンターはいくつか契約していますが、1年くらいかけてIaaSに移行をしていきます。しかし、そうなると5月に一度はやめようと思った台湾の小さいデータセンターはコストも小さく台湾に行く理由にもなるので、そのまま継続した方がいいかもしれません(こういうのを付加価値というのだろうか)。
一方、当社で手掛けているデジタルサイネージ事業はまだまだハードウェアを使う事業なので、流れに反してはいますがその分参入が難しく、エンジニアとしても面白味があります。やっぱり自動車レースが全部ゲームセンターになったら面白くないです。とにかく特色ある事業を展開したいものです。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
レンタルサーバーとDNS
以下は直近1年間で対応したインターネット関連サーバー移転の主な案件です。
・レンタルサーバーの利用プラン打ち切りによるサーバー移転
・Eコマース用のサーバーの既存ドメインでの構築
・異なるURLのウェブサイトの統合
・ウェブサイトのテスト用サーバーの構築
・グループウェアサーバーの自社ドメインでの構築
・メールセキュリティの強化(2案件)
サーバー移転というのは結果であって、要件はサービスの移転や内容変更です。その結果としてサーバーを丸ごと変更したり複数のサーバーに分散させたり、クラウドのアプリケーションサービスを利用したりと、その実現方法には様々な形態があるわけです。
サーバーの移転のお話しをすると、それほど難しい仕事ではないと思われる方が結構いらっしゃいます。特に、ウェブのご自身で運営さえている方やその知識がある方はそういう傾向にあると思われます。恐らく、ご自身で多少なりとも知識や経験があるからだと思います。
そういう方々とお話しをしていて、非常に重要な機能でほとんどの方が理解できないのがDNSです。DNSはDomain Name Systemの略です。なぜDNSが関係するかというと、ほとんどのレンタルサーバーはサーバーの利用とドメイン管理とDNSがセットになっていて、レンタルサーバーの業者を変更するということは、ほぼ、そのドメインが利用するDNSサーバーも一緒に移転しなくてはならないケースが多いからです(もちろんそうならないようにもできます)。
そのことがわからないのでずっと同じレンタルサーバーを利用しているという企業も多いと思います。そういう方は一度ご相談ください。
ウェブデザイナーや経験の浅いネットワークの技術者ではドメインやDNSの移転の方法は経験がない人も多いのではないかと想像します。
ドメイン名というのはほとんどの方がご存じだと思いますが、DNSというのは聞いたことはあっても何をしているかよくわからない方が多いと思います。そして、その制度としくみになるとほぼ専門家の世界となります。
簡単にいうと、DNSというのはそれぞれのドメインのサーバー(ホスト名)がどのIPアドレスを使っているかという、ホスト名とIPアドレスを関連付けるしくみであって、DNSサーバーというのは辞書サーバーのようなものです。DNSの技術的なしくみについてはネットにたくさん記事がありますので、興味のある方は検索してみてください。
インターネットで利用するサーバーには必ずIPアドレスが割り当てられています。ドメイン名とIPアドレスを関連付けるDNSサーバーにも当然IPアドレスが割り当てられています。
ドメイン名はレジストラや指定管理事業者と呼ばれるばれる認定された会社(以降レジストラ)がドメイン申請企業からの依頼に基づき発行します(もちろん有料)。レジストラとして有名な会社は「お名前.com」などがあります。
そして、ドメイン名と、それぞれのドメイン名が利用するDNSサーバーを関連付ける最上位のDNSサーバーがありますが、この運営はレジストラ企業が共同で行っています。レジストラは自社が発行したドメイン名に限り、そのドメイン名のDNSサーバーの登録や変更が行えます(ドメイン管理業務)。
自社ドメインのDNSサーバーなんて知らないよ、という方もおられると思いますが、レジストラはそれぞれに利用者向けのDNSサーバーを独自で運営していますので、ドメイン名だけを取得した場合や、ドメイン名取得とレンタルサーバー利用を同時に申し込んだ場合は、レジストラ独自のDNSを利用していることがほとんどです。これはほとんど意識されません。
しかし、ECや複数ドメイン利用などを効率よく運営しようとすると、ウェブやメールのサーバーとDNSサーバーが一緒では自由度がなく何かと不都合です。そこで、本格的なネットワークサービスではDNSとその他のサーバーを切り離します。レジストラが異なる複数ドメインの運用や障害対策などメリットがあります。
一方、DNSサーバーを自社で運営するというのは注意が必要です。DNSサーバーを乗っ取られるということはそのドメインで利用しているサーバーすべてを乗っ取られるようなものです。また、DNSサーバーのセキュリティが甘いと他のドメインのDNSサーバーとして機能してしまったりして迷惑をかけることになります。DNSサーバーはなるべくレジストラが提供するサーバーを利用した方がよいでしょう。
では、複数のドメインを異なるレジストラから取得している場合はどうしたらいいか。レジストラは変更が可能なのでレジストラの変更をしてなるべく一つのレジストラに集約し、DNSサーバーもそのレジストラのサーバーに集約するのがよいと思います。レジストラが提供するDNSサーバーはそれほど専門知識がなくても設定の変更ができる管理ページがありますので(その操作を覚えることは大変ですが)、サポートを受けながらであれば自主運営が可能だと思われます。
これ以上書くと訳が分からなくなるので以上です。
今日から9月で、3月決算の企業は上期の最終月です。
涼しくなり仕事もやりやすくなりましたから、集中して仕事に取り組みたいものです。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
インターネット崩壊!?
ここ最近、インターネットが渋滞気味です。
次は9月9日が要注意です。
それは7月15日の出来事でした。
その日は朝から台湾のサーバーへの応答時間が普段の4倍以上遅延して数多くの警告メールが送られてきます。また、会社のインターネット接続ルーターの社外からの応答時間が普段の数倍で、これまた数多くの警告メールが送られてきます。
何かおかしいなと思いつつオフィスでインターネットを使い始めるとやはり速度が遅い。速度を計測してみると下りが数Mメガしか出ていません。
上りは数十メガで普段より少し遅い程度で特に異常がありません。
オフィスのインターネット接続は2系統あり、それぞれ異なるプロバイダーを利用しています。1系統は格安でもう1系統は料金が高いプロバイダーですが、2系統とも同じ症状です。明らかに何かおかしい。
ルーターをリセットしたりLANケーブルを変えてみたりといろいろ試してみますが変化がありません。コンピュータウィルスなども疑ってウィルススキャンをしてみますが異常はありません。
そんなことをしているとあっという間に時間が経過します。万策尽きてプロバイダーの障害情報に何か載っていなかと見てみますが、その時点では特に何も情報がありません。しかし、自社内の設備に異常がないのは明白なので、プロバイダーが怪しいと断定しました。
どこで遅延が発生しているか突き止めてプロバイダーに連絡しようと、調査を開始です。まずはTraceRouteコマンドで遅延が派生しているポイントを記録します。次に顧客のオフィスや埼玉のデータセンターなどから相互に応答時間を計測します。10拠点から相互に応答時間を計測しますので結構な手間です。計測の結果、見事に2つのプロバイダーの東京の拠点が特に遅いことがわかりました。同じプロバイダーでも東京以外は全く問題がありません。
また顧客の環境は大きな問題がなさそうなので一安心です。
しかし、利用しているプロバイダー2社が同時に異常というのも変なので、これはNTT東日本のフレッツが原因かもしれないと思い問い合わせてみました。光回線は5月にNTT東日本のフレッツをギガビットに更新したばかりです。そして、フレッツ網内で速度を計測すると、なんと300メガも出ているではないですか。初めて100メガ越えを見ました。すごいです。
問題はフレッツではないようなので格安プロバイダーのサポートに問い合わせをしようと一度見た障害情報を確認すると新たに障害情報が掲載されていました。
それによると、なんとWindowsアップデートが原因で輻輳状態が発生しているとのことです。特に海外への経路が混んでいて、それが国内の通信に影響を与えているということでした。
そうです。7月15日は定例のセキュリティアップデートの日だったのです。
考えてみれば数万台のPCがほぼ一斉に自動で通信を開始するのですから、そういうことがあって不思議はありません。
しかし、2つの異なるプロバイダーでそういうことがあるのだろうかと思いつつ、料金が高いプロバイダーに問い合わせをすると、やはりトラフィックが集中しているということでした。問題となる箇所がプロバイダーによって違うのが興味深いです。
格安プロバイダーは海外経路がボトルネック、高級プロバイダーはNTT東日本との接続点がボトルネックでしたが、高級プロバイダーの方は結局その状態が半月も続きました。
足回りのサービスが向上するとデータ量が増えるのでプロバイダーも設備の増強が本当に大変かもしれませんが、格安の方は仕方がないとしても、高級プロバイダーのトラブルは何か釈然としません。
8月3日にもインターネットが渋滞する現象がありました。原因はWindows10のアップグレードによる通信の集中のようです。技術者コミュニティでは軽く話題になります。昨年のMacの無料アップデートに比べたらまだまだ大丈夫という人もいます。しかし、最近のインターネットは混雑傾向にあるように思います。そして、ここ数ヶ月は、月に一度はいよいよインターネットが崩壊か!と思わせるような状況が発生していると思われます。
横に置いてあるWindowsタブレットが昨日からWindows10のダウンロードを開始しました。次のセキュリティアップデートは9月9日に予定されていますので、また要注意です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
グラフィックボードの話
当社は特定顧客向けにデジタルサイネージシステムの構築や運営も取り組んでいます。少し宣伝ですが、当社システムの特徴は1台のPCで複数のディスプレイを接続する点です。
類似のシステムはいくつかありますが、ディスプレイ1台1台を独立して使う方法はあまり見ないと思います。近い使い方は、株などのトレーダーがディスプレイをいくつも設置してグラフや表を見たりする場面ですが、全自動で独立した画面に異なる動画や静止画をバラバラに表示するというのはデジタルサイネージの世界ではあまりありません。
デジタルサイネージの世界ではマルチディスプレイの目的は大きな面を作って演出をするという考え方が主流だと思っています。必ずしもマルチディスプレイとは直結しませんが、最近では4Kという解像度もよく耳にすると思います。
マルチディスプレイ方式のデジタルサイネージシステムで重要となるのがPCに組み込まれるグラフィックボードの性能です。グラフィック機構はPC、スマホ、タブレット、テレビなど、映像を表示するデバイスには必ず組み込まれている重要なパーツですが、ほとんど意識されることはないなんとも地味なパーツです。
(恐らく)20年ほど前から、グラフィック処理はメインのCPUから切り離されいわゆるチップ化されています。よって、グラフィックチップの性能が低いとCPUはほとんど使われていないのに描画が追い付かないということがあります(最近は特殊用途以外にはめったにありません)。実はそれほど重要なパーツではあるわけです(でも最近では一番重要なのはネットワークですね)。
PCのパーツなどというものはすべて地味ですが、代表例としてHDDがあります。こちらは「HDDをSSDに交換したらPCが快適になった」などという表現でたまに話題にもなりますが、グラフィックボードを交換したらPCが快適になったという話は、最近はほとんど聞きません。高精細、高性能のグラフィック装置がオンボードで最初から組み込まれているためです。
以前はグラフィックボードの交換や追加ということもありましたが、最近ではグラフィックボード単体でのニーズは、①ゲームPCを含む映像シミュレーション等の超高精細高速グラフィックス、②3面以上のマルチディスプレイ構成、③(意外にも)高速演算、の用途が中心で、一般には馴染みがない世界だと思います。
当社としては、業務の性格上グラフィックボードの動向は大いに関心がありますので、2~3年に一度は最新のグラフィックボードをメーカーから借用して評価を実施します。12コア、36GBメモリというようなハイスペックなPCも数台所有しています(いずれも中古なので驚くほど安いです)が、性能的には問題がなくても、設計から5年もすると内部のアーキテクチャが変わってきます。
例えば内部バスの仕様(形状)の変更です。ボードの取り付け口の形状が違っていればもちろんのこと、その仕様(規格)にも注意が必要です。同じ形状でも利用できない場合があるからです。
身近な例でいうとUSBがあります。
USBの規格は最新は3.0ですが、PCのUSBの口の形状は1.0も2.0も3.0も同じです。また、USB機器側はほとんどのものが下位互換があると思われますので、USB3.0の機器でもUSB2.0で利用できると思われます。
PCの内部バスにも同じことが言えるわけですが、最新の機器を古い規格のインタフェースで利用しても最高の性能は得られません。また、最近のグラフィックボードは独自に電源も必要な場合がありますが、この電源コネクター形状も5年前のPCとはピン数などが異なります。
先週末から、来季提案のために最新のグラフィックボードの評価を開始したのですが、内部電源の形状の違いからまだ動作ができていない状況です。昨日、その原因がわかって秋葉原で電源の変換コネクターを入手しましたが、なんと、ピン数は同じですが微妙に形状がちがっていて取り付けができませんでした(涙)。
全体を眺めてみると、細かな形状の他にコネクターの色が違っていて、この色に意味があるのだなということがわかりました(pcieの電源コネクターは黒色です!)。結局アマゾンで購入です。この猛暑の中買い物に行ってそれが使えないというのはややショックでしたが、また知識が増えました(プラス車掌!笑)。
手持ちのPCで電源はなんとかなりそうですが、内部バスの規格も微妙に違うので、新しい規格のPCを購入するかどうか悩んでいるところです(PC1台購入するのも決断が必要です)。既存のPCでよい評価結果が得られればいいですが、限界はどこにあるかということも知っておく必要があるので、新規格のPCはやはり必要だなぁ、とこのメルマガを書きながら自分を説得させようとする自分がいます(汗)。
さて、7月15日にWindows 2003 Serverのマイクロソフトのサポートが終了し、先週まではお客様のサーバーの切り替えで大忙しでした。サポートが切れたと言っても、今までトラブルでマイクロソフトさんに助けていただいたことはほとんどないので、インターネットから隔離されているところではあまり関係ないとは思うのですが、何かあった時に責任が問われますから、自分を含め大手企業はリプレイスを推し進めます。単純なものであればそれほど気も使いませんが、基幹サーバーの移行ともなると大変神経を使います。それらも無事終わり、一安心の週末でした。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
海外モバイル通信の意外
6/24~6/29までスウェーデンのストックホルムに行ったというお話を前回しました。2回に分けてこの件について書いています。
前回はシンプルに紀行文でした
今日はその2回目ですが、「海外出張で最適なモバイル通信は何か」がテーマです。
海外出張で大事な物を3つ上げろというと何を挙げますか?
私の場合は、「パスポート」、「お金(クレジットカード含む)」、そして「モバイル通信」です。(特に海外での)モバイル通信は、大げさに言えば身を守る大事な道具なので、出かける前には是非チェックしたいものです。よくわからなくても、ざっと目を通すだけでも、いざというときに役に立つものです。
では、何を用意したらいいのか。考え方は大きく二つあります。
1.特別に準備をしない。
2.海外専用のモバイル通信手段を準備していく。
ITや機械物に弱い人や時間がない人は前者になるでしょう。ただし、何もしないと言っても前提条件があります。それは、ホームページが閲覧できる携帯を持っていることです。スマホでなくてもいいです。やや古い3G携帯でも十分ですが、とにかくパケット通信ができる携帯は必須です(それを持たない方はいないと思いますが)。
ITの知識がある人や、準備の時間がある、準備をするスタッフがいる、というような方は後者の「海外専用のモバイル通信」を準備するがよいと思います。また、その方が1日あたり2千円くらい安く済みます。5日間滞在すると1万円の違いが出てきます。手間をとるか、費用を抑えるかの選択だと思います。
では、それぞれで
1. 特別に海外モバイルの準備をしない場合
これはドコモ、au、ソフトバンクなどの国内通信会社が海外利用のために用意しているしくみを使うことになります(国際ローミング)。通話には常に海外転送料金がかかるため、国内通話の3倍くらいの料金がかかりますが、メールをしたり、ホームページを見たり、Lineをやったりというパケット通信は料金に上限がありますので安心です。ドコモの場合で1日最大2,800円です。他者もほぼ同じようです。これ以上は請求されませんので、安心して利用しましょう(個人的には安くないと思いますが)。
海外に到着すると、「海外で携帯を利用するための心得」のようなメールが自動で送られてきます。その中に、わからない時の日本の連絡先などが書かれていますのでそこに電話をすればいいです。親切に教えてくれます。利用自体はあまりにあっけないので、海外での楽しい経験を共有するためについつい電話したくなってしまいますが、コミュニケーションはなるべくLineやメールなど、音声通話以外でやりましょう。音声通話は3倍くらいの料金がかかります(Line電話やスカイプは違います、この辺がややこしい)。気をつけるのはこのくらいです。
2.海外専用のモバイル通信手段を準備する
海外での通信費を少しでも安くしたい、現地のサイトなどに快適にアクセスしたいという方は、海外専用のモバイルWiFiを利用すればよいでしょう。
海外、WiFiでGoogleを検索すると、以下の2社が広告上位で表示されます。
(広告表示順位順です)
イモトのWiFi海外レンタル – globaldata.jp
海外WiFiレンタル/Global WiFi – townwifi.com
今回はこの2社のモバイルWiFiルーターを利用してみました。「イモトのWiFi海外レンタル」は昨年の台湾に続いて2回目の利用です。
「イモト」の方はヨーロッパ周遊プランを申し込みましたので、今回着陸したスイス・チューリッヒ、スウェーデン・ストックホルム、オーストリア・ウィーンすべてで利用できました。スイスでは乗り継ぎが40分しかなかったので、一瞬での確認しかできませんでしたが、ちゃんと3か国で利用できました。
それぞれのサービスについて、ストックホルム、ウィーンでの通信速度を計測しましたので、以下にまとめてみました。
以下は使い勝手も含めた考察です。
「イモトのWiFi」 3Gでどこでも安定
「イモトのWiFi」はLTE(4G)が使えるということでしたが、実際はストックホルム、ウィーンでは3G通信でした。しかし、通信が非常に安定しており、下りで8M、上りで2Mがコンスタントに出ましたので、全く問題ありませんでした。私の持論は「1Mあれば十分!」です。事実、観光で出歩く際も常にスマホを「イモトのWiFi」に接続してGoogleマップをリアルタイムで利用していました。また、後半ではスマホのSIP-IP電話でBrekeke-PBXに接続し、街中から日本に電話をしていました(少し遅延するので慣れが必要ですが)。
「グローバルWiFi」 4Gはさすがに早い
「グローバルWiFi」はストックホルムだけの利用でした。4Gでの通信が可能でした。4Gはさすがに通信速度が速く、ホテルの部屋で上り下り20M以上計測ができました。20Mあれば通常オフィスとほぼ同じ感覚です。しかし、なぜか突然3Gになってしまったり、なかなか4Gでは通信できないことが多く(要するに国内と同じですが)、全体の使い勝手としては全部3G通信の方がいいかもしれません。
「ドコモデザリング(国際ローミング)」
今回面白いことがわかりました。ドコモの国際ローミングでウェブサイトにアクセスすると、アクセス元は「日本」と表示されます。つまり、国際ローミングによって日本のゲートウェイまで接続され、そこからインターネットに出ていくようです。よって、現地から現地サーバーと日本サーバーへのそれぞれの通信応答時間(PING)を計測すると、現地のサーバーの応答時間よりも日本のサーバーからの応答時間の方が短いことがわかりました。しかし、必ず日本まで通信が発生しますので、オーバーヘッドが大きく、全体の通信効率(スループット)は良いとは言えません。日本のサーバーにアクセスするにはいいかもしれませんが、現地のサイトを利用したり地図サイトを見たりスカイプをしたり、ということには向かないと思います。料金的にも、1日上限が2,800円と、海外モバイルWiFiよりも高いので、使い方によっては海外専用モバイルWiFiを持ち込んだ方が理想的という場合があると思います。
「ホテルWiFi」 必ず利用しましょう
ホテルではほぼ100%、ホテルが用意するWiFiが利用できます。通信もとても安定してストレスもありませんから、ホテルにいるときはPCはもちろん、スマホもホテルWiFiを利用しましょう。
ちょっと難しい話になりましたが、通信のお話は以上です。
最後に、これは元ツアーガイドの知人から実際に聞いた話ですが、その知人の後輩(女性)のことです。その方は初めて一人で海外に行って(知人曰く“無謀”と言っていました)、荷物か何かのトラブルに巻き込まれたそうです。その時にその彼女がとった行動は、まずはアップルストアを探して、iPhoneが確実に使える環境を確保したそうです。誰の指南でもなく本能的にとった行動だったらしいですが、いかに海外旅行先での通信の確保が重要かという面白い話だと思いました。海外ツアーのプロである知人もそれだけは感心していました(笑)。
さて、2回に分けてストックホルム(オプション ウィーン)出張の体験がテーマでしたが、やはり海外出張は刺激があって、仕事のモチベーションにつながります。小規模な企業にとって海外出張というのは機会もなく費用負担も大きいので難しいとは思いますが、むりやりにでも仕事を作って積極的に海外に行った方がよいと思います。ハッタリも効きます!(実はこれも大事!)、また、どんな企業も海外企業との付き合いは今時珍しいことではありません。
せっかくの小規模企業ですから、プランも自分で作成して、ホテルも自分予約して、多少でも外国語を使えば大成功でしょう。そして、その時に大事なのは、テーマを持ってでかけることではないでしょうか。これが無理にでも仕事を作る意味であると、私は思います。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
ストックホルム出張記
6/24~6/29までスウェーデンのストックホルムに行ってきました。
2回に分けてこの件について書きたいと思います。
本来書きたいことは情報を整理しないと書けない内容なので、今日はどちらかというと紀行文です。
ストックホルム行きの目的は、ITコンサルを契約していただいている顧客がストックホルムで開催するカンファレンスの会場のITのサポートです。その会社の関係する学会の国際会議が場所を変えて年1回開かれるのですが、それが今年はストックホルムだったということです。
その会議に合わせて、その会社も普段会えないパートナーや顧客と現地でカンファレンスをするのだそうです。そのカンファレンスも、現地と日本とアメリカ3拠点を電話とウェブ会議で接続して行うものです。と言っても、参加者は全部で15名くらいのものですが。
この件についてサポートは以前からしていましたが、間近になってもいろいろと尋ねてくるので、「私も行きましょうか」ということになった次第です。
使うものはパソコン、電話と会議用スピーカーマイク、ウェブ会議システム、プロジェクターとそれほど特殊なものはありませんが、専門家でもない人がいきなり、しかも不慣れな海外でそれを使えと言われても不安になるのは理解できます。私が行くと言って本当に気が楽になったとおっしゃっていました。
しかし、渡航の費用は出せないというので、自己負担としました(しかしホテル代が高い!)。個人的にはヨーロッパは行ったことがなく、ぜひ近いうちに行きたいと思っていたので、自己負担でも行く価値はあるなと思い決断しました。
行きはスイス航空チューリッヒ乗り継ぎ、帰りはオーストリア航空ウィーン乗り継ぎです。行きの乗り継ぎ時間はなんと40分、そして帰りの乗り継ぎ時間は18時間です。どちらも敬遠される時間設定ですが、今思えば、行きは早く、帰りはゆっくりと、なかなかよい選択だったと思います。
行きの40分乗り継ぎは大丈夫だろうか、とやや心配ではありましたが、スイス航空の本拠地で同じスイス航空同士の乗り継ぎですから十分可能な時間設定をしているはずと信じて、飛行機を降りて一目散にレッツゴーです。
結果、所要時間は25分ほどでした。しかし、事前に調べてシミュレーションしていなかったらどうなったことか。ターミナルを結ぶトレインが突然目の前に出現したら「えっ」となったと思います。
ストックホルムの空港から中心地までは約20分間隔で運行されるノンストップの電車で移動です。乗車時間は15分くらいです。タクシーにしようと思ったのですが、客引きがうるさそうだったので電車にしました。
海外で、一人で鉄道に乗るのは初めての経験です。この電車は社内に速度計が付いているのですが、驚くことになんと200キロ以上出ているではないですか。今時電車で200キロは日本でなくとも当たり前なのだなぁと実感しました。新幹線の凄いところはやはりあの過密ダイヤ運行にあるなと思います。
ストックホルム市内は、北欧に行ったことがある方ならお分かりだと思いますが、典型的な北欧の街並みです。気候が一番いい時で、朝は12度、日中は22度くらいと、本当に過ごしやすい気候でした。また、一番日が長い時なので、白夜にはなりませんが、真夜中でも薄明るい貴重な経験をしました。
本題のカンファレンスはというと、特殊な設備はありませんが、それだけのものを一発勝負で使わなければなりませんから、電話会議の設定手順、ウェブ会議の設定手順などはホテルの部屋で事前に何度か確認しました。
PCも自分で2台持ち込み、ホテルで仮想ウェブ会議をして動作を確認するなど、一応仕事は行いました(一応どころではなく結構必死です)。通信はホテルのWiFiがありますが、予備でモバイルのWiFiを2つ用意しました。この辺りは次回に詳しく書きたいと思います。
最後に、カンファレンス前日にウェブ会議の操作方法をレクチャーして準備完了です。実はそれが一番大変でしたが。どこに居ても同じですね。そして、それら準備の甲斐もあって、無事カンファレンスは終えることができました。
お客様には、「松澤さんがいなかったらできませんでしたよ」というお言葉をいただきました。お世辞でも嬉しいものです。
さて観光と行きたいところですが、数日前から会社のPBXが不調になってしまい、復旧作業をする羽目になってしまいました。日本では真夜中にリモートでストックホルムからPBXの再構築です。
ついてないなぁと思いながらも、やることは明快なので楽しいことでもありました。やっぱりインターネットはすごい発明だなと実感です。
PBXの修復も終わり、あとは観光です。と言っても、ストックホルムの街は小さいので、2時間もあれば十分観光できます。到着してからもちょくちょく出歩いてはいたので、それも合わせれば十分観光できました。
しかし、ペットボトルの水が500円するのはビックリしました。水に限らず、とにかく物価が高い。日本は物価が高いと思っていましたが、ヨーロッパに比べると物価は日本の方が全然安いなと感じました。素人ながらに、これは人口密度の差ではないかと思いました。パイが大きいと物も安くできると。とにかく日本のように人がいませんから。
帰りはウィーンで一泊です。乗り継ぎで空港外に出るのも初めての経験です。へたに外に出て、戻れなくなることはないだろうかとドキドキしながらのウィーン観光です。空港と市内はやはりノンストップの電車で16分です。もちろん、ウィーンでの通信状況チェックは忘れません。
ウィーンは文句なくよかったです。ストックホルムも新鮮でしたが、ウィーンの文化性や芸術性には圧倒されました。日本もあのくらい歴史や文化を大切にしたらいいのにとも思いますが、価値観の違いもあります。やはり日本はアジアの一員です。ウィーンに一泊した価値はありました。
最後は我慢の10時間フライトで月曜日の朝成田に到着でした。純粋なフライト時間だけで行きは15時間、帰りは13時間。行きのフライトの時間は英語の学習に使いました。ネットが使えないので、すごく集中できました。
今回の出張は、もう一つ大きな目的がありましたが、その達成度は10%くらいです。そのカンファレンスで、誰もが知っている有名な方とお会いできることを楽しみしていましたのですが、その方は私が担当したカンファレンスには出席しなかったので、お会いすることができませんでした。
同じホテルに宿泊していたので、最終日の朝食のレストランでお見かけしましたが、奥様同伴で、記念写真のリクエストは嫌がるのでやめた方がいいという周囲の意見もあって、遠くから拝見するだけとなりました。だから10%の成果です。
日本に居ても同じですが、何をやるにも準備が重要だということを、改めて認識する出張でした。
・事前の情報収集、
・予行演習(テスト、リハーサル、シミュレーション)
・普段からの備え
特に普段からの備えは1日ではできません。本番は2時間ですが、そのためにその何倍もの時間をかける。スポーツ競技は特にそうですが、ビジネスも同じですね。
次回は海外の通信事情について書きたいと思います。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
最近多いIT相談の内容
最近IT関係で受けることが多い相談はなぜかウェブサイトの管理です。具体的には「ワードプレス(WordPress)」の維持管理についてです。「ワードプレス」は、ウェブサイトのサーバーにインストールするウェブサイトを運営するためのサーバーソフトウェアです(と言っても縁のない方にはわからないと思いますが)。
多いと言っても、3件(3社)程で10件も20件も相談があるわけではないですが、当社くらいの規模だと同じテーマで同時に3社というのは十分多い数になります。
また、共通しているのは、いずれも既にウェブサイトは制作されていて、そのサイトの維持管理についての相談という点です。いずれの場合も、サイトを制作した会社がありますが、それらにお話をされた上で「本当はどうなの?」という相談です。
「ワードプレス」は元々ブログを運営するために開発されたフリーのサーバーソフトウェアです。これを使うとウェブサイトのメニュー化やコンテンツのカテゴリ分けなどが割りと簡単にできるので、ウェブサイトの構築が効率良くできます。デザインとコンテンツが完全に分離しているので、構築とデザインとコンテンツが完全に分業できます。また、ブログ感覚でエンドユーザーが専門家に依頼することなく記事の更新ができるので、ブログにとどまらず企業のウェブサイトにも利用されるようになりました。最近では、ウェブサイト制作の相談をすると「ワードプレス」を使った提案を受けることが大変多いと思います。
私が「ワードプレス」を知った2008年頃はまだ「MovableType」というブログシステムが主流でしたが、今は個人的にはあまり聞かなくなった印象があります。
個人や会社のウェブページを制作してFTPを使って更新した経験のある方や、現在「ワードプレス」を利用してブログを含むウェブサイトの運営をされている方などは、ウェブサイトの維持管理なんてそんなに難しくないよ、と思われる方もいらっしゃると思います。
確かに、記事を更新するだけであれば難しくはないのですが、「ワードプレス」を使うと、コンテンツだけでなく、「ワードプレス」自体の維持管理も必要になってきます。特に何が面倒かというと、セキュリティ対策とサーバーの移転です。
セキュリティ対策は、そのこと自体は大したことはありません。「ワードプレス」に限らず、ソフトウェアは必ずバグがあるので、そのバグを突いてサイトの改ざんや他のサイトへの誘導などの不正行為の被害にあう可能性があります。常に新しいバージョンを適用してそのようなバグをなくす必要がありますが、それをやるとたまにウェブサイトが表示されなくなったりということがあるのでやっかいなのです。何かをやってページが真っ白になってしまった時にはどうしたらいいのかわからない人が多いと思います。
また、セキュリティ対策で新しいバージョンを適用したいがサーバーの環境が対応していないなどの相談もあります。
サーバーの移転については、単純なウェブサイトであればコンテンツをコピーするだけで済みますが、「ワードプレス」はデータベースを利用しているので、コンテンツの移転もその道のプロでなければ容易ではありません。あるいは、サーバーを統合したいという相談もあります。
これらに挙げた問題は、どちらかというとサーバーやネットワークのエンジニアの領域でもあり、ウェブデザインだけやっていると対応できないこともあると思います。また、過去にウェブサイトを製作した会社に維持管理のための十分な報酬を支払っていないということも原因かもしれません。だから、サイト製作会社も真剣になれない事情もあると思います。だから「できない」とか「難しい」となるので、当社に「本当?」と相談されるようです。
もっとも、ウェブサイトの維持管理だけに費用を発生させたくないという気持ちもよく理解できます。ですから、当社サポートサービスのようなワンストップで様々なサポートがうけられサポートサービスであれば、同じ費用を払ってもそれを有効に活用できると思うのです。
ウェブサイト以外によく受ける当社ならではの相談はネットバンキングです。突然ネットバンキングができなくなるとそれは大変なことになります。法人向けのネットバンキングは通信暗号化のための電子証明書が必要なので、普通のPCのブラウジングのノウハウが通用しません。これをPCなどに詳しい人に見てもらっても、そもそもそういうしくみであることも知らない場合が多いと思います。(そういう意味で、総務経理ご担当の方のITスキルは侮れません)。当社では、自社でネットバンキングの環境を持っているので、少なくとも正常動作の振る舞いは検証できます。
お客様が利用しているものと同じものを使う、使ってよいと思うものを薦める、当社のポリシーです。それだけコストもかかりますが、よいサービスを提供するための投資です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。
セキュリティ対策の実例
今日は、本年より試行されるマイナンバー制度をテーマにしようと思っていましたが、昨日から本日にかけて、日本年金機構の情報漏えいのニュースがありましたので、ITセキュリティに関連して書きたいと思います。
今回ニュースについては、以下のサイトに経緯がよくまとまっています。
http://d.hatena.ne.jp/Kango/20150601/1433166675
(よくまとまっていて感心させられます、感謝ですね)
メールに添付されていたファイルを開いたところ、悪意のあるプログラムのようなものがPC上で動作して、情報をどこかに送りつけたか、外部からのセキュリティホールができてしまったか、ということだと思います。
過去のサイバー犯罪を含め、もっと詳細な手口が知りたいところですが、これらはオープンにすると模倣される危険性があるため、詳細が公開できないと思われます。
私の大きな関心事は次の3つです。
1)添付されていたファイルの種類は何か?
2)使用していたメールソフト(メールシステム)は何か?
3)どういうセキュリティ対策がとられていたか?
特に1)は、今どき、exeやmsiといった実行形式のプログラムということではなかろう、と思われるからです。また、HTMLメールにより悪意のあるスクリプトが実行された、ということでもなかろう、という興味もあります。
もしかしたらPDFファイルかもしれません。
もしこれらであれば、公的機関としては基本のセキュリティ対策が不十分だったといわざるを得ません(民間企業では事業内容からあえてセキュリティ対策をゆるくするケースもありますので悪しからず)。
例えば、生まれて1時間も経たない最新のウィルスに感染したということは可能性としては考えられますが、そうでもない限り、ITのセキュリティはかなりのレベルで高めることは可能だと思います。
普通の企業が一番簡単にセキュリティを高める方法は、資産管理やセキュリティ対策を目的としたIT統合管理ソフトを導入することだと思います。
例えば以下の製品です。
IT統合管理ソフトウェア 「AssetView」 (ハンモック社)
提供機能を列挙すると、以下の通りです。
IT資産管理、アプリケーション配布、PC操作ログ管理、個人情報検索、USBデバイス制御、不正PC遮断、リモートコンソール、ウェブフィルタリング、ファイル制御・暗号化、ウイルス対策、メール監視・分析、画面操作録画、スマートデバイス管理、高速ログ検索
以下の図とファイルは、この中のウイルス対策の画面と、ウイルス対策リストの出力例です。当社で実際に利用している状態のものです。
いかがですか?
本当にセキュリティソフトが機能しているかどうかがよくわかると思います。
先の情報漏えいニュースでは、ウィルス対策ソフトでは検出できなかったとありますが、そもそもきちんと動作していたのかどうかということがわからないと、次に何を調べ、どういう対策をしたらいいのかがわかりません。そういう意味でも、結果がどうであれ、きちんと管理することは大切です。
このような統合ソフトは、一般的には50ユーザー以上など、まとまった数量が契約の対象となり、またサーバーも必要となります。当社では、ソフトウェアベンダーの協力も得て、これらを小分けしてクラウドで提供するサービスを準備中です。1ユーザーフルセットで2千円程度ですが、機能を絞って価格を抑えて利用することも可能です。これでも、IT担当者を雇用したりコンサルを依頼するよりはコストが明快で効果が確実です。
次回、セキュリティExpoなどに公式サービスとして発表することを目標に準備を進めたいと思います。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。