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ふたたびバックアップ論

 東日本大震災から1ヶ月が経過しようとしています。被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。以前にも本メルマガの中でバックアッ
プの重要性について述べたことがあります。残念なことですが、今回の震災でもバックアップの重要性を認識する機会となってしまいました。

 地震発生時の都心では書類が散乱したり棚から物が落ちたりはしましたが、一部建築物を除き甚大な被害もなく、また、その後の計画停電も都心
での実施がなかったため、東京都心に限っては平常に戻りつつあります。個人的には、自宅のPCが地震の影響で起動しなくなり、青色申告直前
の会計データを入力していた会計ソフトが使えなくなりました。幸いバックアップはあったのですが、震災後の仕事上の混乱のためすぐに使える
状態に復元する時間もなく、結局、一昨日、青色申告をe-Taxを使ってようやく済ませることができました。

 やはりバックアップは大事だということを改めて認識しましたが、バックアップがあることと、それをすぐに使える状態にすることとは別の次元
であることも改めて認識しました。
 これらは単純にコストに比例しますので、コストをかければホットスタンバイのようなしくみも準備できますし、単純にバックアップだけであれ
ば、今回の私の例のように、システムが再利用できるまでに1ヶ月もかかるということになってしまいます。障害対策にどれだけコストをかける
かということは、システム停止時間がどの程度許容できるかとのバランスの問題です。いずれにしても、バックアップがないと何もできませんか
ら、何はともあれバックアップをとることが最重要です。

 今回の震災では、津波で少なくともいくつかの自治体は、すべての台帳が海に流出して住民票がなくなっている状態が想定されます。自分の証
明、親子の証明、この土地は自分のものであることの証明ができません。同じく自治体が管理という点では国民健康保険も同じだと想定できま
す。バックアップも庁舎内などにあったとすると、原本はおそらく喪失状態です。金融機関についても、地元の金融機関においては金銭消費貸借
などの契約書について同様のことが想定されるかもしれません。

 また、今回のような大規模で広範囲な災害の場合は、バックアップの保管先も重要な意味を持ちます。原本とバックアップが1箇所に集中してい
たのでは意味がありません。やはりバックアップの保管先もクラウドサービスを活用して分散させるのが理想的です。もしまた同じような災害に
遭遇した場合でも、バックアップのデータを使って中央が自治体の代わりに行政を行ったりすることが可能になります。そして、そのために情報
の管理方法も工夫する必要があります。個人を特定する情報の管理にしても、国民背番号制だという批判もありますが、管理方法をシンプルにし
て、バックアップ方法を工夫するなど、国全体として情報のあり方を検討する時期に来ているのではないかと思いました。

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