TOP >> ;Archive: 28. 7月 2015

グラフィックボードの話

当社は特定顧客向けにデジタルサイネージシステムの構築や運営も取り組んでいます。少し宣伝ですが、当社システムの特徴は1台のPCで複数のディスプレイを接続する点です。

類似のシステムはいくつかありますが、ディスプレイ1台1台を独立して使う方法はあまり見ないと思います。近い使い方は、株などのトレーダーがディスプレイをいくつも設置してグラフや表を見たりする場面ですが、全自動で独立した画面に異なる動画や静止画をバラバラに表示するというのはデジタルサイネージの世界ではあまりありません。

デジタルサイネージの世界ではマルチディスプレイの目的は大きな面を作って演出をするという考え方が主流だと思っています。必ずしもマルチディスプレイとは直結しませんが、最近では4Kという解像度もよく耳にすると思います。

マルチディスプレイ方式のデジタルサイネージシステムで重要となるのがPCに組み込まれるグラフィックボードの性能です。グラフィック機構はPC、スマホ、タブレット、テレビなど、映像を表示するデバイスには必ず組み込まれている重要なパーツですが、ほとんど意識されることはないなんとも地味なパーツです。

(恐らく)20年ほど前から、グラフィック処理はメインのCPUから切り離されいわゆるチップ化されています。よって、グラフィックチップの性能が低いとCPUはほとんど使われていないのに描画が追い付かないということがあります(最近は特殊用途以外にはめったにありません)。実はそれほど重要なパーツではあるわけです(でも最近では一番重要なのはネットワークですね)。

PCのパーツなどというものはすべて地味ですが、代表例としてHDDがあります。こちらは「HDDをSSDに交換したらPCが快適になった」などという表現でたまに話題にもなりますが、グラフィックボードを交換したらPCが快適になったという話は、最近はほとんど聞きません。高精細、高性能のグラフィック装置がオンボードで最初から組み込まれているためです。

以前はグラフィックボードの交換や追加ということもありましたが、最近ではグラフィックボード単体でのニーズは、①ゲームPCを含む映像シミュレーション等の超高精細高速グラフィックス、②3面以上のマルチディスプレイ構成、③(意外にも)高速演算、の用途が中心で、一般には馴染みがない世界だと思います。

当社としては、業務の性格上グラフィックボードの動向は大いに関心がありますので、2~3年に一度は最新のグラフィックボードをメーカーから借用して評価を実施します。12コア、36GBメモリというようなハイスペックなPCも数台所有しています(いずれも中古なので驚くほど安いです)が、性能的には問題がなくても、設計から5年もすると内部のアーキテクチャが変わってきます。

例えば内部バスの仕様(形状)の変更です。ボードの取り付け口の形状が違っていればもちろんのこと、その仕様(規格)にも注意が必要です。同じ形状でも利用できない場合があるからです。

身近な例でいうとUSBがあります。
USBの規格は最新は3.0ですが、PCのUSBの口の形状は1.0も2.0も3.0も同じです。また、USB機器側はほとんどのものが下位互換があると思われますので、USB3.0の機器でもUSB2.0で利用できると思われます。

PCの内部バスにも同じことが言えるわけですが、最新の機器を古い規格のインタフェースで利用しても最高の性能は得られません。また、最近のグラフィックボードは独自に電源も必要な場合がありますが、この電源コネクター形状も5年前のPCとはピン数などが異なります。

先週末から、来季提案のために最新のグラフィックボードの評価を開始したのですが、内部電源の形状の違いからまだ動作ができていない状況です。昨日、その原因がわかって秋葉原で電源の変換コネクターを入手しましたが、なんと、ピン数は同じですが微妙に形状がちがっていて取り付けができませんでした(涙)。

全体を眺めてみると、細かな形状の他にコネクターの色が違っていて、この色に意味があるのだなということがわかりました(pcieの電源コネクターは黒色です!)。結局アマゾンで購入です。この猛暑の中買い物に行ってそれが使えないというのはややショックでしたが、また知識が増えました(プラス車掌!笑)。

手持ちのPCで電源はなんとかなりそうですが、内部バスの規格も微妙に違うので、新しい規格のPCを購入するかどうか悩んでいるところです(PC1台購入するのも決断が必要です)。既存のPCでよい評価結果が得られればいいですが、限界はどこにあるかということも知っておく必要があるので、新規格のPCはやはり必要だなぁ、とこのメルマガを書きながら自分を説得させようとする自分がいます(汗)。

さて、7月15日にWindows 2003 Serverのマイクロソフトのサポートが終了し、先週まではお客様のサーバーの切り替えで大忙しでした。サポートが切れたと言っても、今までトラブルでマイクロソフトさんに助けていただいたことはほとんどないので、インターネットから隔離されているところではあまり関係ないとは思うのですが、何かあった時に責任が問われますから、自分を含め大手企業はリプレイスを推し進めます。単純なものであればそれほど気も使いませんが、基幹サーバーの移行ともなると大変神経を使います。それらも無事終わり、一安心の週末でした。

※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。


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