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電子印鑑で経費削減のすすめ

 契約は、法的には口頭であっても成立し、なつ印は実印でなければならない、という制約はありません。しかし、現実の行動としては、当事者間
の見解に相違が生じた場合など、裁判所を含めて第三者の確認、評価を受けるために、文書の交換は不可欠とされています。

 文書の作成過程はワークフローなど電子化が進んでいますが、最後の作成物である契約書などは、なつ印というステップの存在もあり、膨大な紙
の管理となっています。
文書管理の電子化は、紙をスキャナーで電子化することが出発です。

 一方で、相互なつ印された契約書についても、契約がいつなされたのか、客観的な事実として確認することはできません。契約日として記された
年月日が、作成・交換日の保証はありません。いわゆるバックデートが可能です。これによって、現実的には自由度が高まっています。

 しかし、世の中の電子化が急速に進む中、企業間で交換される契約書、領収書といった文書原本が紙のままというのは、社会全体にとって大きな
無駄を拡大します。膨大な紙の文書の保管、効率の悪い検索、紛失、破損などです。スキャナーによる電子化が求められている理由でもあります。

 原本はほんとに紙でないといけないのでしょうか?
 2002年にIT書面一括法が、2005年にe-文書法が施行され、契約書などの書類は電子的に行うことが認められ、推奨される環境になっ
ています。建設業法で、紙の契約交換が義務付けられていた工事契約書も、現在では電子契約が認められています。

 電子的なやりとりへの移行にあたって、カギとなるのがなつ印に代わる電子署名、電子なつ印の普及です。

 2000年に施行された電子署名法により、法人の認証、証明書の発行、成りすまし、偽造の防止、署名後の文書への改ざんの防止とその発見と
いった技術を背景に、実印レベルでの印鑑となつ印行為の電子化が法的に認められました。

 また、従来紙での保存が義務付けられていた、国税関係帳簿書類に関しても、1998年に施行後、前述の各種法令の制定に従い改正を受けた電子帳
簿保存法により、帳簿や契約書などを電子的に作成・締結し保存することが認められました。

 これらを背景に、2002年NTTデータグループ、2005年株式会社アイセンスから、それぞれサービスが開始されています。

『CECTRUST電子契約サービス』

http://www.construction-ec.com/cectrust/easp.html

『電子なつ印』

http://www.isence.co.jp/service/ser01.html

 交換書類の電子化は、紙の文書を作成しないので、付随的に印紙税が免除されます。この経費削減効果も、一般の企業では大きいと思います。お
そらく売上金額の1~2%程度は印紙税を払っているのではないでしょうか。

上 記の『電子なつ印』サービスは初年度年間10万円ほどで利用できますので、年間の印紙が10万円以上であれば経費削減効果があることにな
ります。

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