モバイル通信の動向
現代のインターネットの利用に欠かせないがブロードバンド通信です。ブロードバンドとは高速度通信のことですが、ここでは専門的に言うと概
ね1Mbps以上の通信が可能な通信形態と定義します。1Mbpsというと、ユーチューブなどの動画がなんとか閲覧できる程度と理解してよいかと思い
ます。
会社や自宅などのインターネット利用はブロードバンドがあたり前となりましたが、モバイル通信ではブロードバンドが実現してまだ数年であ
り、今現在も発展途上にあります。
インターネットが一般レベルで普及してからの個人利用者における通信形態は大雑把に以下のように整理できます。
○個人利用者における通信形態の変遷
15年前・・・ダイヤルアップ接続デジタル低速度通信(ISDN)
10年前・・・常時接続デジタル低速度通信(ISDN)
5年前・・・常時接続デジタル高速度通信(ADSL)モバイルデジタル低速度通信
現在・・・常時接続デジタル高速度通信(光)、モバイルデジタル高速度通信
モバイル通信は、利用場所を固定しないという特性から、その発達はそのまま無線通信技術の発達と言えますが、現時点では過渡期状態にあり、
機器の小型化、低価格化も相まって、その変化の激しさも著しいものがあります。
そこで、現在利用可能な代表的モバイル通信サービスについて整理してみます。
現在利用可能な代表的モバイル通信サービスを以下に挙げてみました。
○主なモバイル通信(カッコ内は提供企業名)
WIMAX(UQコミュニケーションズ)
3Gダイヤルアップ(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル)
PHSダイヤルアップ(ウィルコム)
○WIMAX
現時点では一番新しい方式の無線通信規格で、上り40Mbps(論理値)という高速通信が特徴です。日本ではUQコミュニケーションズがサービスを
提供しています。サービス開始からようやく1年経過という新しいサービスのため、利用可能エリアは首都圏、大都市が中心です。利用料金は月
額4千円台固定と比較的低価格です。論理的には下り40Mbpsという高速を誇りますが、東京都内での実効値は5~8Mbps(実測値)です。しかし、
これでも動画閲覧を含め、インターネット利用には十分な速度です。次に説明する3Gダイヤルアップとの大きな違いは、技術的な内容になります
が、動作するレイヤがモデムではなくLANアダプタと同じレイヤであるという点です。
○3Gダイヤルアップ
現在普及している携帯電話は3G携帯と呼ばれています。3Gとは第3世代という意味ですが、技術的に3世代目の通信方式ということです。この3G
携帯から音声会話を機能を除外してデータ通信に特化したモバイル通信が3Gダイヤルアップ方式です。携帯電話事業各社がそれぞれのブランドで
サービスを提供しています。通信速度は数種類あり、下り21Mbps、7.2Mbps、3.6Mbps(各論理値)とありますが、最大でも5Mbps程度と理解した
方がよいと思います。最大の特徴は利用可能なエリアが広いということです。基本的には携帯電話が使えるところであれば利用可能なので、ほぼ
全国で利用可能です。
○PHSダイヤルアップ
PHS電話をデータ通信に利用する方式です。PHS事業者は数年前まで数社ありましたが、現在はWILLCOM一社となってしまいました。かつてはモバ
イル通信の手段がPHSしかなかったということもあり、PHS通信はモバイル通信の主流でありましたが、3G携帯が登場により高速固定料金の3Gモバ
イル通信が普及したため、PHS通信は現在ではあまり見かけないものとなりました。
○WiFiとの組み合わせ利用について
最近ではモバイルWiFiルータという機器が登場し、上記のモバイル通信サービスとWiFiを組み合わせて利用するケースが増えています。WiFiとは
無線LANのことで、無線LANは既に企業でも家庭でも広く普及しています。常にモバイルWiFiルータを持ち歩くことで、自宅では光回線のブロード
バンドを利用し、外出時にはモバイル通信を利用するということが、PCの設定変更や通信機器の差し替えなしに可能となります。また、モバイル
WiFiルータを使うと、ひとつのモバイル通信契約で外出時に複数のWiFi対応機器を利用することができます。例えば、外出時にノートPCとiPADを
同時に利用するということが可能になります。
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