インターネット崩壊!?
ここ最近、インターネットが渋滞気味です。
次は9月9日が要注意です。
それは7月15日の出来事でした。
その日は朝から台湾のサーバーへの応答時間が普段の4倍以上遅延して数多くの警告メールが送られてきます。また、会社のインターネット接続ルーターの社外からの応答時間が普段の数倍で、これまた数多くの警告メールが送られてきます。
何かおかしいなと思いつつオフィスでインターネットを使い始めるとやはり速度が遅い。速度を計測してみると下りが数Mメガしか出ていません。
上りは数十メガで普段より少し遅い程度で特に異常がありません。
オフィスのインターネット接続は2系統あり、それぞれ異なるプロバイダーを利用しています。1系統は格安でもう1系統は料金が高いプロバイダーですが、2系統とも同じ症状です。明らかに何かおかしい。
ルーターをリセットしたりLANケーブルを変えてみたりといろいろ試してみますが変化がありません。コンピュータウィルスなども疑ってウィルススキャンをしてみますが異常はありません。
そんなことをしているとあっという間に時間が経過します。万策尽きてプロバイダーの障害情報に何か載っていなかと見てみますが、その時点では特に何も情報がありません。しかし、自社内の設備に異常がないのは明白なので、プロバイダーが怪しいと断定しました。
どこで遅延が発生しているか突き止めてプロバイダーに連絡しようと、調査を開始です。まずはTraceRouteコマンドで遅延が派生しているポイントを記録します。次に顧客のオフィスや埼玉のデータセンターなどから相互に応答時間を計測します。10拠点から相互に応答時間を計測しますので結構な手間です。計測の結果、見事に2つのプロバイダーの東京の拠点が特に遅いことがわかりました。同じプロバイダーでも東京以外は全く問題がありません。
また顧客の環境は大きな問題がなさそうなので一安心です。
しかし、利用しているプロバイダー2社が同時に異常というのも変なので、これはNTT東日本のフレッツが原因かもしれないと思い問い合わせてみました。光回線は5月にNTT東日本のフレッツをギガビットに更新したばかりです。そして、フレッツ網内で速度を計測すると、なんと300メガも出ているではないですか。初めて100メガ越えを見ました。すごいです。
問題はフレッツではないようなので格安プロバイダーのサポートに問い合わせをしようと一度見た障害情報を確認すると新たに障害情報が掲載されていました。
それによると、なんとWindowsアップデートが原因で輻輳状態が発生しているとのことです。特に海外への経路が混んでいて、それが国内の通信に影響を与えているということでした。
そうです。7月15日は定例のセキュリティアップデートの日だったのです。
考えてみれば数万台のPCがほぼ一斉に自動で通信を開始するのですから、そういうことがあって不思議はありません。
しかし、2つの異なるプロバイダーでそういうことがあるのだろうかと思いつつ、料金が高いプロバイダーに問い合わせをすると、やはりトラフィックが集中しているということでした。問題となる箇所がプロバイダーによって違うのが興味深いです。
格安プロバイダーは海外経路がボトルネック、高級プロバイダーはNTT東日本との接続点がボトルネックでしたが、高級プロバイダーの方は結局その状態が半月も続きました。
足回りのサービスが向上するとデータ量が増えるのでプロバイダーも設備の増強が本当に大変かもしれませんが、格安の方は仕方がないとしても、高級プロバイダーのトラブルは何か釈然としません。
8月3日にもインターネットが渋滞する現象がありました。原因はWindows10のアップグレードによる通信の集中のようです。技術者コミュニティでは軽く話題になります。昨年のMacの無料アップデートに比べたらまだまだ大丈夫という人もいます。しかし、最近のインターネットは混雑傾向にあるように思います。そして、ここ数ヶ月は、月に一度はいよいよインターネットが崩壊か!と思わせるような状況が発生していると思われます。
横に置いてあるWindowsタブレットが昨日からWindows10のダウンロードを開始しました。次のセキュリティアップデートは9月9日に予定されていますので、また要注意です。
※本記事はメールマガジン『インスクエア ビジネスニュース』に寄稿しました。